M.I.

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5/31/2025, 9:05:48 AM

No.322『まだ続く物語』

ああ、まだこの物語は続くらしい。
早く終わってほしくて仕方ないのにこの物語の主人公である醜くて哀れな女の子はずっと足掻いてる。
死にたいと願っているはずなのに、この子には勇気がなくて飛べないんだってさ。
ねえ、いい加減飛んだらどうなの、主人公?
ああ、本当に哀れで馬鹿な子(私)。

5/27/2025, 9:09:30 AM

No.321『君の名前を呼んだ日』

始めて君の名前を呼んだ日を私はいつまでも覚えてます。
…あんなに小さかった君はもうこんなに大きくなったんだね。
嬉しさと同時に寂しさも感じちゃう。
君が私のお腹から生まれてきてくれたことは私にとって一番の幸せです。
私の子どもに生まれてきてくれてありがとう。
たくさん長生きしてね。
私との約束です。
お母さんはいつまでもあなたのそばにいて、あなたを見守ってるから。

5/25/2025, 9:50:00 AM

No.320『歌』

歌に救われたことがたくさんある。
どんなに冷たい世界でも歌だけは私の味方だった。
歌っている時も、聴いている時も、歌はただ私に寄り添ってくれた。
特に救ってもらったのは「月詠み」様と「傘村トータ」様。
このお二方の曲を聞かない日はない。
どうか、生きることに疑問を持ったり、嫌気がさしたり、死にたくなった時にこの方々の曲を聴いてみてください。
大袈裟だと笑われようと私は言い続けます。
私はこの人たちの曲に命を救われました。

5/20/2025, 9:07:49 AM

No.319『どうしても…』

奪われてばかりの弱い僕だけど、どうしても譲れないものはある。
それのためだったら他に何を奪われたっていい。命令だって聞くし、プライドだってそれのためなら捨てたって構わない。
見てろ!僕はそれのためだったらどこまでも強くなれるんだから!
今まで僕を馬鹿にしてきた奴らにだってギャフンって言わせてやる!
……だからさ、君は僕のそんな姿を見てずっと笑っててよ。
遠くに行くなんて絶対許さない。
ねえ、だからお願い。どうか、早く目を覚まして。

5/19/2025, 9:59:28 AM

No.318『まって』

大事な人たちはみんな僕を置いていった。
両親も初恋の人も、そして唯一の肉親となった弟も。
もういないと分かっているのに心のどこかにある強い願望が自分に幻覚を見せてくる。
もうこれ以上、大切な人を失いたくない。
だから上からの命令を無視して彼を探した。
それが功を奏し、彼を見つけたが、いつもの日常には戻れなかった。
彼は目を覚まさず、彼女は辞職し、僕は異動となった。

※ ※ ※
やっと戻った日常。だがそれもまた一瞬で、また僕の大切な人たちは僕を置いていこうとする。
まって、僕を置いていくな…!!

身を殺して仁を成す。

…だから僕は自分の身を賭して、彼らの元へと向かった。

※ ※ ※
今度こそ僕は大切な人を守れた。
ボロボロの幼馴染たちを眺めて思わず笑みをこぼす。
「なに笑ってんだよ」
「どうしたの?」
「知恩報恩。君たちとの出会いに僕は心から感謝していますよ」
「はあ?」
「??」
意味が分からないという表情を浮かべる2人に笑いかけ、僕はこの気持ちを噛み締めた。

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