No.289『はじめまして』
生きている限り「はじめまして」は必ずやってくる。
そして、その「はじめまして」の分だけ別れも必ず訪れる。
それはきっと生きている者の定めだ。
私は時々考えることがある。
最後の別れは笑顔で迎えればいいのか、涙で迎えればいいのか。
私はなるべく笑顔で迎えたい。だって、最後に見せる顔が泣き顔なんてカッコ悪いから。私はもう大丈夫だってちゃんと生きていけるんだって示すために笑顔で別れたい。
と、まあここまでいろいろ言ってきたけど私は多分泣いちゃうんだ。どんなにカッコつけたくても、やっぱりお別れは寂しいし悲しいから。
ねえ、みんなはどう思う?
No.288『またね!』
「またね!」
なんて元気に言いやがって…また会える保証なんてどこにもないのに。ほんと、お前らしいよ。
分かってる。弱ってるところを見せたくなかったんだろ?
お前はいつも、最期は笑顔で迎えたいって言ってたこと俺はよく覚えてるから。
本当は死ぬことが怖くて泣きそうになってたくせに。
お前のそういうところは嫌いだったよ。泣いてくれれば俺はそれを口実にお前を抱きしめられたのに。
……ごめん。俺はまだそっちに行けない。
自殺をしたら天国には行けないし、生まれ変わりもできないって誰かが言ってた。
お前の最期の言葉を守るためには俺は生き続けなくちゃいけないらしい。
だからごめん。もう少し時間はかかるけど、必ず会いに行くから。
それじゃあ、また…。
No.287『春風とともに』
春風とともにやってきた花粉が私の鼻を刺激する。
なんとも辛い時期だ。
だけど同時に色とりどりの花が見れる時期だ。
きっとこの春も一瞬で過ぎ去っていってしまうのだろう。
だからこそ、私は一日一日を大切にしたい。
No.286『涙』
「涙は隠しちゃだめなんだ。涙は自分を守るための手段なんだよ」
って誰かが言っていた気がする。
でもさ、自分を守るために流した涙を笑う奴もいるんだ。
じゃあ、涙ってなんのために出るんだろう。
それの本当の意味に気づくには、誰かが私の涙に気づいて助けてくれるしかないんだろうな。
それなら早くきてください。私をどうか助けてください。
No.285『小さな幸せ』
毎日が小さな幸せで溢れてたらいいのに。
そう考えたことは何度もある。
……違うな。別に私は特別な幸せを望んでるわけじゃない。私はただ、変わらない日常が欲しいだけなんだ。私にとって変わらない日常こそが幸せだから。