No.281『もう二度と』
どうして、もう二度と思い出したくないという思い出だけが残って楽しい思い出だけが色褪せていってしまうんだろう。
二度と思い出したくないと分かっているんだから忘れてしまえばいいのに、何故か私の体はそれを許してくれない。
じゃあ、どうすればいいの。
大切な思い出は消えていって、嫌な思い出はずっと残されて、じゃあ最終的に嫌な思い出だけを抱えて死んでいくのかな?
そんなのは嫌だなあ…。
No.280『雲り』
雲り…『曇り』じゃなくて雲り。
何が違うんだろう、と思った。
でもなんとなく『曇り』よりも『雲り』の方が明るさを感じられると思った。
『曇り』は暗くてなかなか晴れそうにない。
だけど『雲り』は雲の間から光が差し込んでいるイメージ。
それならみんなの心の曇りが『雲り』であった方がいいのかなと思った。
279『bye bye…』
「バイバイ」
なんて本当は言いたくないんだ。
別れなんてものは私にとって恐怖の対象でしかなくて。
日常でありふれるこの言葉でさえ、これが本当に最後になってしまうんじゃないかと怯えてる。
でも時間が止まってくれるなんてことは絶対にない。
別れは必ず訪れるもの。
仕方がない。それが世界にルールだから。
だからせめて私は別れを笑顔で迎えたい。
最後に見せるのは笑顔のほうがきっといいでしょう?
No.278『君と見た景色』
君と見た景色はあんなに綺麗だったのに今はどうも色褪せて見える。
……あの景色が綺麗だと思ったのは隣に君がいてくれたからだったなんて気づくのが遅かった。
ああ、辛いなあ…君がもういないという事実に逆らいたくて君と旅したところを見てまわっていたはずなのに、その行為はただただ僕の首を絞めるだけだったなんて…。
No.277『手を繋いで』
もう一度手を繋いであの場所に行けると思ってた。
私たちのそんな約束は当たり前のように履行されると信じていた。
ああ、でも、もう…無理。
あの場所に行っても手を繋いでくれる人がいないんじゃ、なんの意味もないの。