No.269『終わり、また始まる、』
これで何度目かの命が終わった。
僕はまた君に会うことができなかった。
君の家は覚えてる。
だから絶対にもう一度見つけられるはず。
あの日のようにもう一度僕を拾ってくれるはず。
また新たな命が始まった。
今度こそ君のそばに。
No.268『星』
ずっと下を向いていた。
外にいても家にいてもスマホを見ていた。
ある日、誰かがいった。
『空を見上げてみて』
と。特に考えもしないまま顔をあげたらそこには無数の光が輝いていた。
ああ、たまには上を向くのも悪くないな。
No.267『願いが1つ叶うならば』
私がこの題名を見てすぐに思い出したのは、傘村トータさんの「たった一つ願いが叶うなら」という曲。
「 なんのために僕は生きて
なんのためにこんな必死に
なんのために傷つきながら
なんのために声を出して
なんのために息を吸って
なんのために心があって
たった一つの願いはそう
自分で叶えるから 」
初めてこの曲を聴いた日からこの歌詞が頭から離れない。
たった一つの願いを叶えるために今日を、明日を、未来を生きていこうとそう思えた、私にとってとても大切な曲。
No.266『嗚呼』
嗚呼…なんてつまらない人生なんだろう。
なんてくだらない人生なんだろう。
こんなふうに考えてばかりいる私はきっと人生の不適合者だ。
きっとこの先にも輝かしい未来なんてものはない。
それが分かっているにも関わらず私はどうして今を生きているんだろう。
嗚呼、誰か私を殺してくれないかな。
なんて考えた私を殴りたくなった。
自分で死を望んでいるくせに、自分で自分を殺そうとせず誰かに殺させるなんて…結局私は死ぬのが怖いんだ。
No.265『秘密の場所』
ここは君と僕だけが知る秘密の場所。
不自由に囚われる僕たちが自由を得られる唯一の場所。
君と僕が笑顔の仮面を外せる特別な場所。
でもある日から君はここに来なくなった。
家の使用人が話しているのを聞いた。
隣の家のご令嬢が別の家に嫁いでいったんだって。
……ああ、こんな狭苦しいところから君の手を取って逃げ出してしまえばよかった。
…この場所が特別だったのは君がいたからだったなんて気づくのが遅すぎた。