No.239『星に願って』
ねえ、お星さま。
私もお星さまになれるかな?
私は生きてても何も役に立たない人間なの。
誰かに言われたのか、自分に言われたのかはもう忘れちゃった。
でも、お星さまになれたら人の役に立てるよね。
暗い道を照らすことができるよね。
そしたら、役立たずじゃなくなるよね……?
No.238『君の背中』
僕は君よりも少し低いところから君の背中をただ見ていることしかできない。
自分の足で前へと走っていく君に、誰かに手伝ってもらわないと動くことすらできない僕。
こんな僕たちが一緒の道を行くなんていうのが間違いだったんだよ。
ごめんね。僕は君の自由を奪っていた。それに気づかず、僕はずっと放してあげられなかった。
大丈夫。そのまま走っていってくれて構わない。
本来君は自由が似合う人なんだから。
僕は君の背中を見届けた。
No.237『遠く…』
なんで…なんでこんなに遠いんだろう。
君の手を握らないといけないのに…!
君を抱きしめないといけないのに…!
君の涙を拭わないといけないのに…!
君が泣いてるのになんで僕は文字を打ってでしか慰められない!?
なんで現実じゃこんなに離れてる!?
ネットならどんなに遠い場所でも繋がっていられるのに、なんで現実では繋がれないんだよ!!
このままじゃ君とネットでも会えなくなる…!!
No.236『誰も知らない秘密』
私は誰も知らない秘密を抱えている。
だってこの秘密を言えばみんなを悲しませるだけだから。
言ってしまって楽になりたいと思ったことがないとは言えない。
でもそれ以上にみんなの悲しむ顔を見たくなかった。
…もうどうにもならないって知ってるから、それならもう長くない人生を笑って過ごしてやる。
No.235『静かな夜明け』
静かな夜明けを迎える。
僕の心情はどこか複雑だった。
また朝が来てしまった、また一日が始まってしまう、そんな憂鬱さ。
夜明けの空の綺麗さに何故か浮かんでしまった感動。
この2つが混じり合って僕は道を失った。