「あーあ、彼氏欲しい」
「急にどうしたの」
貴方の家でゆっくりと晩酌を楽しんでいたら、普段恋愛をしないような貴方が急にそんなことを言い出したから、少しびっくりした。
「だって、自分を好きでいてくれる異性がすぐそばに居るだけで、幸せな気分になれそうじゃない?」
「貴方、彼氏いらないってこの前言ってたじゃない」
「うん、いらない」
「なんなのよ」
「でも、羨ましいの。私、こうやって意地張って、ずっと彼氏作らないできたけど、本当は自分は寂しいんじゃないかって、幸せに感じてないんじゃないかって、思うようになっちゃって」
「幸せなんて、人それぞれじゃない。彼氏以外の幸せを見つければいいのよ」
「それが分からないの。最近、何やっても、心ここに在らずというか。何にも、楽しくないの」
貴方は月を見ながら、ただそう言った。顔はよく見えないけれど、でも、いつもの貴方らしくないと思った。
「幸せって、なんなのか、分からなくなっちゃった」
幸せとは。
誰もが考えたことがあって、明確な答えを持ってる人はきっと少ないこの問は、貴方を苦しめていつか殺してしまうのではないかと、私は密かに思った。
今年の抱負か。
一応、書いとくか。
『受験』
・英単語を毎日200個ずつ覚える
・週に一回英語のリスニングをやる
・ディクテーションを毎日やる
・古文単語を毎日100個ずつ覚える
・日本史の知識を毎日何かしら取り入れるようにする
(YouTube、スタサプで日本史に関する動画を見るようにする)
・スマホを勉強道具として使う
『部活』
・毎日パート練をやる
・ロングトーン長調3つ以上
・体を動かして音楽を表現する
・音を飛ばすことを意識する
『趣味』
・勉強の合間は読書をするようにする
・色んな洋楽に触れる
もちろん最優先は『受験』。日本史に関しては、学校で授業始まるのは来年度からだし、塾でもまだ授業取ってないけれど、とにかく苦手意識は払拭しときたい。面白いなって、今年度中に思えるような機会に出会えるように、日本史について、自分から調べたり動画みたり工夫してみる。
趣味に関しては沢山やりたいことあるけど、今年は自制。読書はスマホを弄る代わりに、息抜きにやることとして入れとく。
部活に関しては、もちろん技術を上げたいけれど、表現力をつけたいな。棒吹きになっちゃうのも、緊張しやすくて体がガチガチなのも、直せたらいいな。パート練はとにかく継続で毎日やる。
今年は頑張りたいことが沢山あるけれど、ひとつずつ着実に、1歩1歩進んでく。
絶対、行きたい大学に受かる!
日本史大丈夫かなぁ……💦
あ、今年、全然文章書かなかったな。
ようやく受験を意識し始め、部活は人間関係が上手くいかずに落ち込んでばっかで、友達に彼氏が出来て、色んなことが起きた1年だった気がする。人と話すのが億劫になり始めたのは、下半期頃だったっけ。
そんな日々を過ごしていたから、文章を書くということを忘れてた。たまに書いてたから読み返したりしてみると、心が廃れてるのがよく分かる。
だからといって、来年はもう本格的に受験生になるから、もうしばらく文章を書くことは出来なくなるかも。文章というより、小説?あー、小説書く課題とか受験で出たりしないのかなぁ?
ということで、今年1年は、色々ありすぎて文章が書けなかった1年でした。言い訳してるみたいになっちゃったかな?でも、心が不調だと小説書くとか、物語考えるとか、そういうのが億劫になるんだよね。本を読むことは出来るんだけど。あ、今年はたくさんの本に出会った年でもあるな。やっぱ、そういう年だった事にしよう。そうすれば、いい1年だった風に出来るし。
みなさま、良いお年をお過ごしください。
「あ、入浴剤入れたの?」
「うん。久しぶりに会った友達から、貰ったの」
ふんわりと香るゆずの香り。
貴方の大好きな柑橘系の香りが、私の鼻をくすぐる。
「この入浴剤、昔よく使ってたの。懐かしくて、あの時のことが鮮明に思い浮かぶ」
「ほんと?昔話ならいくらでも聞くけど」
「じゃあお風呂入ったら、1杯やろうよ」
いつもと変わらない会話。
貴方とシェアハウスをして何年か経ったけど、貴方のことを私はまだあまり知らない。
今夜、ゆずの香りと共に、貴方の可愛らしい話を聞くことになるのだった。
「わぁ、綺麗」
勉強のし過ぎで凝り固まった体をほぐそうと、少し塾から外に出てみたら、周りの木に色とりどりの光たちが宿っていた。
イルミネーションって、こんなに綺麗なんだ。
すると、私の肩を優しく誰かが叩いた。
「塾帰り?」
最近会えてなかった、幼い頃からの友達だった。
「ううん、まだ勉強してるところ」
「そっか。大変だね」
「そんなことより、見て。イルミネーション綺麗じゃない?」
「ね、とても綺麗」
そういう貴方から、少し緊張したような、そんな声が出ているのがわかった。
今年ももうすぐ終わり。
この儚い光たちが懸命に光るように、私達も最後まで足掻いていきたい。