10/25/2023, 2:26:56 PM
ふわふわもふもふ柔らか毛色
小さな両手いっぱいに抱き締めて
ぎゅぅと抱いたら夢心地
そんな愛しいお友達
一緒に雨に濡れてどろんこに
お母さんに洗われて
その毛がぺしょりと垂れるのも
くるくる回るボール遊びも
その全部がきみとなら楽しくて
ころんとベットに転がって
きみをぎゅーっと抱きしめて
大好きだよって声かけて
甘い甘い香りが一つ
ぼたんのような瞳がじーっとわたしを見てる
ずっといっしょ、いつまでも
【人じゃないけど、お友達】
10/24/2023, 9:53:07 PM
ふわりと桜が舞う
一つ一つ流れる春の雨は
ただ風に踊るようにして
貴方の前にただ立つ
変わらない穏やかな貴方の顔が今は酷く憎らしい
春が揺れている、風に吹かれる私の髪と
動かない写しの奥、石の下の貴方
去年の夏、車に連れ去られた貴方
赤い赤い花を咲かせた貴方
愛しい愛しい貴方
「私、もう、高校も卒業なの
ねぇ、けれど、まだ寂しの………ねぇ……」
おいていかないで
なんて、声には出ないけれど
「またね」
は、声に出てしまう
風に揺れるその髪が、赤に暮れゆくその空が
今日の終わりを告げる音が
墓前で貴方と会話する事も許さない
「また、くるね」
コツリ、足音立てて歩きだす
ふわりと風が強く拭き、桜を空へと舞い上げて
「 」
────あぁ、置いていくのは私かしら?
聞こえた気がした空声は、きっと気の所為
【進みゆく君へ………──行かないで】