いつもと変わらず今日にさようならをしている。煩悩まみれの思考と、不確かな未来への不安に苛まれ生きている。たまに確信のない自信を掲げて前進する。これの繰り返しで、日々が過ぎてゆく。
他人を羨んでみても自分が惨めになるだけだから、考えないようにしている。今持っている自分の価値を推測ってみても、評価をするのは他人なんだから悩んでも仕方がない。
今日の自分にさよならをして、明日の自分にバトンを渡す。煩悩や不安を手放し、いずれ良い事もあるさと気軽に思えるよう、心を軽くする。それだけで未来に希望が持てる。
私のお気に入りは、おばあちゃんが作ってくれた餅の素揚げ。鏡開きの餅を細かく砕き乾燥させたら、あとは油で揚げるだけ、外はカリっとして中はもっちり、香ばしくてシンプルだけど美味しい。
今は鏡餅も飾らないし、お餅も少しだけしか買わなくなった。
子供の頃は、左義長でアルミホイルで包んだ餅と芋を火の中に入れて、焼けるの待った思い出がある。中学生までは大きな氷柱を見かけたが、今は見かけない。
お気に入りだった地元の温泉街も、賑わいもなく閑散としている。浴衣を着て祭りに行っても、昔みたいに人混みもなく、こぢんまりとしたものになってしまった。あの時の賑わいが恋しい。
他の誰よりも孤独が好き。自分では孤高でいるつもりでも、他人から見れば変わり者。1人でいれば時間は自由に使えるし、やりたいことも自由にできる。
誰かに縛られるのは一番嫌い。時間も制限されるし、自由に行動もできない。
私は一つずつ自由を手に入れる。白石栞菜になることは、本当の自分を手に入れる。K-POPアイドルみたいなメイクやファッションをして、街中を堂々と歩きたい。
誰かのためでなく、自分のためにやりたいことだけをやっていく。理想で終わらせたくない。
私の人生は私だけのもの。
10年後の健へ
信じられないような未来が君に訪れるよ。具体的には言えないけど、未来が来るのを楽しみに待っていて。苦しい思いもするし、悲しいこともある。でもいいこともあるからね。一歩ずつゆっくりでいいから歩んでいってね。
君の決断は正しいよ。心の思うままに進めばいいんだよ。他人の言葉なんて気にしなくいい。自分が楽しいならそれでいいんだよ。
自分を慈しみ、自分を愛せるようになれれば、何も怖くないからね。
君が未来に来るのを、楽しみに待っているからね。
未来の私より
栞菜にとってバレンタインは無縁だ。なにしろ恋愛に興味がないのだから。好きという感情はある。でもそれは愛情とは違うもので、ときめくようなものでもない。
健の頃は何人もの女性にチョコをもらったが、何も感じなかった。
新しい女友達もでき、恋バナの話も聞くようになったが、話を合わせても心の中ではどうでもいいと思っている。
女性になりたいという気持ちに気づいてから、憧れから欲望へと変わった。理想の女性になることが栞菜の喜びだった。