嵐が来ようとも
希死念慮の嵐に苛まれる朝も、
幻聴の嵐に息が詰まる昼も、
怒号の嵐に心が壊れていく夕方も、
涙の嵐に身を投げる夜も
春夏秋冬、毎日毎分毎秒一瞬だって貴方を忘れたことは無い
明けない夜はある。雨はずっと降り続ける。
毎日そんな静かな嵐だとしても
貴方だけは心から
愛してる
お祭り
打ち上がった綺麗な花火
人々はそんなただの火薬に想いを乗せる
「あなたが好きです」「私も好きでした」
「今日はすごく楽しかったな」「思い出になったね」
「今まで見てきた花火でいちばん綺麗!」
「私もこんな綺麗になりたいな…」
素敵な花火に素敵な想い
みんな同じ時間を共有して、同じ音を聴いている
もちろん私も
「早く綺麗に散れますように」
神様が舞い降りてきて、こう言った
「貴方を救いましょう」と。
何十億人もの苦しんでいる人々の中から私を選んでくれたの?神様、そんなの勿体ないよ。
穢れた血、犯された脳、偽善に染った言葉
私を救うメリットなんてない
それなのに、手を差し伸べてくれるの?
嬉しい、ありがとう神様
神様はやっぱり私の事ちゃんと見ててくれてたんだ!
私ね、行きたい世界があって、
───あ
目が醒める。鼓膜を切り裂くアラームが聞こえる
身体を焼くような朝日が私を叩き起す。
ふふ…おはよう。
神様なんていない世界。
誰かのためになるならば
顔も知らないあなたへ
私の心の詩があなたの心を揺さぶるなら
それ以上の幸福はない
声も分からないあなたへ
私の心の叫びがあなたの心まで届いてくれたなら
それ以上の救いはない
私の言葉があなたの人生を狂わせたなら
それ以上の快楽はないだろう
花咲いて
周りの花が皆咲き乱れていく
クレチマスの花は風に乗って世界を飛び回る
30本の薔薇は愛を捧げる
飛燕草は独り孤高にそびえ立つ
どの花も水を浴び、光を乞い、そして綺麗に開花する
なのに。
醜い大きな一輪の花は
毒を吸い、闇を望み、そして堕落した花は。
風から逆らい愛を騙り孤独になる
ラフレシア