君は今
今日は帰り遅いのかな…?
な〜んの連絡もしない。
シビレを切らしラインを送る
『友だちと遊んで泊まってく‥』
何だよ😮💨困った時だけ親に小遣いを要求するのに…『遊ぶ余裕があるなら連絡させろ…』
嘆きと怒り入り混じる残された親たち
何処で何してんだか…そういえば、
昨日同級生だった幼なじみのA君と長話
してたよな…?
ラインを開け、何処で誰と一緒なのか?
問いただす事には躊躇する。
息子は成人式を終えた今年21才
親の心子知らず
世の若者よ!親はうるさく言わないけれど
気を揉んでる事もあるよ。
いつか判る日が来るんだろう…。
この場所で、何があったのか?
車と人が通り過ぎる喧騒の道
そのガードレールに手向けられた
花。一瞥していつものように通り過ぎ
日常を生きる自分。
もし自分なら、家族なら、
どう生きていけるだろう。
今日も何処かでけたたましく緊急車両
の音。
当人でなければ、日常茶飯事…
と思っている。
次男を出産したあくる日、
病院の廊下の奥から駆けて来た
『ママ、来たよ~。』
お兄ちゃんとなった小さな拳の手の中に、
何処か野原で摘んで来たような、
可憐で清らかな花束が握られていた。
その花の名前を思い出す事はできないが、
今でも、愛しさがこみ上げる。
差し出す息子のつぶらな瞳、
不思議そうに弟を眺めている。
生まれたばかりの弟に顔を寄せた時、
こんなに大きくなってたんだと気づいた。
『ぼく、ママにお花あげたい』と
何処かでせがんだのか…?
パパが『お花摘んで行こう』
と思い着いたのか…?
どちらにしても、あの可愛い手と共に、
心の片隅に咲いている。
こんなにも正確さを求められ、休むことを許されぬ生活必需品はないだろう。
一日に何度かのチラ見を向けるだけの時計の針に『ご苦労さま』と、折角なので、
この機会に書いてみることにした。
昔、実家には、お爺さんの古時計ならぬ
おばあちゃんの振り子時計が架かっていた。
おばあちゃんの部屋に何年も、今の時計と違い、カチ、カチ、ボーン、ボーン…と
何とも賑やかな時計があった。
おばあちゃんが亡くなり、その後も時計は時報を鳴らし続けた。時計の鳴らす音色がおばあちゃんの声色と重なる…。
そんなことを思い出だした。
ふりかえり、後戻りしながら、時には未来を待ち遠しく…。
部屋の片隅にある『時計の針』を
色んな感情と共にチラ見する事になるであろう。