エリィ

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7/20/2023, 10:08:50 AM

擬人化注意

視線の先にはいつも、あなたがいました。
あなたをめで追い出してから、もう何年になるでしょう。
初めてあなたと出会ったのは、忘れもしない7年前の夏でした。
あるお店にふらりと立ち寄った私は、そこであなたの姿を見かけました。最初はただ、他の型と並んでいただけなのに、あなたはただそこにいただけなのに、私はあなたの佇まいに目が吸い寄せられました。そしていつの間にかあなたを手を取り、熱い眼差しを注いだのです。
それが、あなたとの最初の出会いでした。

あなたと出会ってから、私の人生はガラリと変わりました。かつて付き合っていた、私のかつての相棒では満たされないものを、あなたは私に与えてくれました。

あなたを守るために、私は防護をするという名であなたの真の姿を表に出すようなことをしません。あなたというとても繊細な存在を守るためなら、私はいくらでもあなたに貢ぎました。そう、いくらでも。
あなたの為なら、誰がなんと言おうと私は食費を削ってでもあなたとともにいることを選びます。

そして、私はあなたの姿を日々追いかけるようになりました。
あなたが、私の目の見えるところにいないと不安でどうしようもなくなってしまい、いつもあなたを探しています。

そうして、私はあなたをずっと捕まえて話さないのです。
でも、自分は平気で長電話をします。
あなたには傍を離れることを許さないにも関わらず、自分は平気であなたから離れ、ある日はあなたを鎖で繋いだまま眠ります。

そして、あなたの声で目を覚まし、1日が始まるのです。
私はあなたの表面を愛撫して、アラームを止めるとベッドからモゾモゾとあなた―充電の終わったスマホ―を取り出すのでした。

お題 視線の先には

7/13/2023, 8:34:23 AM

これまでずっと
…しばらくお休みします

7/12/2023, 9:26:18 AM

一件のライン。
そこから始まる、新しい

7/10/2023, 9:43:58 AM

私の当たり前
それは、日々の四季。
あなたのほほえみ。

その当たり前が崩れることに怯えながら、

7/7/2023, 12:18:20 PM

七夕

この七夕という日は、昔から僕にとって特別な日でした。
それこそ小さな時に、初めてこの話を聞いたときから、この二人が出会うようにと願って、短冊に毎年『大金を下さい』と『織姫と彦星が会えますように』と純情に書き続けています。もちろん、今もです。

皆様もご存知の通り、織姫と彦星は言うなれば、遠距離恋愛をしているリア充であります。

普通ならここで『リア充爆発した』となるの方も多いでしょうが、当時の僕は純粋に心を痛めていました。愛し合う二人をどうして離さなければならないのか、遠距離恋愛でありながら、一年に一度の逢瀬を楽しみに働いているというわけ二人の一途さに、俺はとても感動していました。
今もそれは変わりません。

年に一度、この七夕の日に僕は二人が出会えるかどうかを天気予報でチェックし、曇や雨であれば涙し、晴天であれば、心の底から喜んだのです。
もっともこれは、友人に言わせると、推しカプというのかもしれないなと、苦笑いしていました。

そして中学生になってもこの思いはなくならなかったんです。
そんな夏休みのある日。
お父さんは、僕が七夕への思い入れがあることを知っているから、天文台の望遠鏡を覗くイベントに連れて行ってもらいました。
そのとき、初めて望遠鏡から夜空を見たのです。
巨大な望遠鏡を見える無数の星は、僕にとってとても衝撃的なものでした。とても、くっきりと見える織姫と彦星。そしてその間を流れる天の川。

僕はそれを、自らの目で毎年見ていきたいと。そう思ったのです。

それが、僕が天文学者になったきっかけです。

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