【これまでずっと】
結局タイミング何だよね。と誰かは言う。
だけれど本当にタイミングだけなのだろうか。日々少しずつ不安なこと、嫌なこと、辛いことが重なっていく。
少しずつ吐き出したりリフレッシュしたりして逃がしているかもしれないけれど実はそれはただ、その時だけ気分を変えているだけで実際にはそれらは消えていないのかもしれない。だからそれが積み重なって積み重なって、自分の抱えられる容量から溢れた時に何かの行動に移るのかなと思う。
それが、誰かに相談するときなのかもしれないし、一人暮しするときなのかもしれないし、仕事を辞めるときなのかもしれないし、転職するときなのかもしれない。どんな行動に移すのかは、自分の環境にもよるし、周りのサポートがあるのかによっても変わると思う。もちろん自分の体調にもよるだろうけどね。
だけどね、辛い環境をその状態を変化させる。つまり、行動に移す時にも勇気が必要なんだよ。
人間は変化に敏感だ。そして、人間は変化を嫌う。
変化を嫌っている人間は、より勇気がいるのだ。
もちろん、今後のことも考えるだろうし、どう相手に思われるだろうか。この時期でいいのか。いや、本当はもう少し頑張れるのではないか。と悩みが尽きない。そんな中での決断というのは早まってはいけない。だけれど、もう、これまでそれだけ頑張ってきたんだよね。そう行動するに至るまで頑張ってきたものがあったんだよね。
それを、まだ頑張れとは言えない。周りはもちろん気づいてるときもある。だけど誰も、これまで頑張ってきたあなたを頑張ったねと褒めてくれもしない。あなたを庇ってくれないかもしれない。あなたを肯定してくれないかもしれない。
でも、それは、周りもまた自分のことしか考えられていないのだ。それだけ必死なのだ。自分が標的にならなければいい。自分が安全な位置に居たらいい。変化を嫌う人間だからそれを乱そうとする人間を排除しようとする。それが所謂いじめにも繋がる。
人間は誰かの為にと考えて行動しようとするが本能的に優先順位は自分が先になる。防衛本能というものにも近いのかもしれない。本人以外はただの傍観者になるか、非難する側になるか、心に少し余裕がある人はサポートする側になるかだ。サポートするべき位置に居る人の周りの環境にもよるのかもしれないとも思う。だから周りのサポートが薄いとかは本来誰にも咎められないものなのだ。
結局それら全てが重なって起こるもの。
ということは、やっぱりそれはタイミングなのかもしれない。
【たとえ間違いだったとしても】
生まれてきてごめんね……。間違いで僕なんかが生まれちゃったんだよね。僕じゃない子が良かったよね。僕の代わりなんかいくらでもいたはずなのだから。
何度も言った。その言葉が枷になるとは知らずに。
何度も言ったその言葉は自分の首を絞めることになる。
その代わりになる予定だった人の人生まで背負わなくてはという義務の枷。それは、いつどんなときも外せなくなった。あるとき「その代わりになる人はどんなことをしたかっただろう?」そう考えるようになってあらゆる選択や行動をし始めた。どんどん自分を見失い、心は代わりになる予定だった人が主で、若干自分。身体(器)は自分というように分離を始めた。身体は自分のままだから嫌なことと認識すると身体に異変が出る。だが、もちろんコントロールなんて出来ない。それが本来の自分なのだから。
そうなってほしくない。だから間違いでって思っている人に伝えたい。
あなたの代わりに生まれてくる可能性だった人が確かに居たかもしれない。でも、その人格と器はこの世界に今居なくて代わりにあなたという人格とその器はここで生きているのだから。
だから、たとえ間違いだったとしてもあなたが産まれてきたってことは紛れもない事実なんだよ。なら、その分生きなくちゃ。誕生出来なかったその人格と器のためにもさ。
だけどその分の人生を背負えとは言わない。自分をもっと大切にしてあげて。誰のでもない誰にも邪魔なんか出来ないあなただけの人生なんだよ。
なら、肩の力抜いて気楽に好きなことして楽しんで、自分が思うがまま自由に生きていけたら最高じゃない?自分の人生、楽しんだもん勝ちだよ?
【遠くの街へ】
いつも、ふらりと何処かに行きたくなる。誰も知らない、遠く遠く離れた場所に。
何も考えず、ただただ、ひたすら遠くに行きたい。
遠くに行って、独りでポツンと座っていたい。空をただただ、眺めていたい。変わりゆく雲の流れと時間の経過を感じながら。ただただ、朝日、日差し、夕日、星空を全身で感じたい。
【溢れる気持ち】
自分に生きている意味があるのかずっとずっと考えて考えて不安になる。
価値がないと思うし、たとえ居なくなっても気づかれないと思うし、むしろ居なくなったって喜ばれるかもしれない。そんな存在が薄い人間で、私には居場所なんてない。
ただ生きているだけで意味があるというけれど本当にそうなのかなと疑心暗鬼になって更に不安になって暗い気持ちになる。
だけど、その今でも溢れだしそうな気持ちをぶつけたときに「生きていていいんだよ。生きていてくれ」と言われたことがある。「あなたが居ないと私も生きない」と言われた。そんな不安定な関係で危ない関係。だけど、私を必要としてくれている人がいる。それだけでほんの少しだけ心が温かくなった。
居場所を見つけるというのは難しい。自分では見つけれないことも多々あるだろう。逆に傍にいる誰かが与えてくれることもあるだろう。居場所を見つけるということは双六のようないわば確率のようなものだ。だから早まるのではなく、今はまだその段階に来ていないだけだと考えるといいのかもしれない。
今は、その辛いかもしれないマス目を、少しずつ進んでいって時には一休みをして、その時を待ってみよう。時には誰かと同じマス目に止まるかもしれない。そのときにお互い辛いことを話してお互い励まし合いながら進んでいこう。
【Kiss】
読み聞かせで白馬に乗った王子様が現れてキスをしてその後幸せになる。そんな物語。それに憧れていて、大きくなったら女の子には全員王子様にはやってくると思っていた。
現実はそんなに甘くない。白馬になんて乗ってないし、そもそも王子様なんて日本にはいない。
特にこれといった恋愛経験もなく、あっという間に専門学校に進んでいった。
専門学校は3年時に2週間の実習、4年生のときに3ヶ月を二回の実習と国家試験を受験する。そんな学校だった。
2年生のときに体調を壊し、病院が苦手になった。3年生のときは病院が苦手になったことと、環境の変化に慣れなかった私は、実習中も体調を壊したりしていた。そんな私にずっと連絡をくれる男子が居たのだ。どんなに心強かったことか。いつものやり取りをして安心でき、どうにか実習を乗り切ることができた。
4年生の実習のときもその男子はほぼ毎日連絡をくれた。くだらないやり取りではあったがそれでも連絡をくれていたのが嬉しかった。
気づかないうちに段々と彼のことが気になってきて目で追ってしまうようになっていった。それでも関係は変えたくない。だからこの気持ちは閉まっておこうと決めた。
卒業が近づくにつれ、本当に気持ちを伝えなくていいのか?後悔しないか?そんな気持ちになってきた。なら、いっそのこと卒業式の日にLINEで告白しよう。気づかれないようにあいうえお作文にして……。そんな緻密な計画を立てた。たて読みにすると「すきでした」になるようにした。
当日、気づいてほしい気持ちと、降られたくない気持ちの両方で複雑な感情だった。
結果はまさかの両想い。
嬉しかった。聞いてみたら、私が環境の変化に苦手なのを知っていてほぼ毎日連絡をくれていたとのこと。
王子様は居なかったけれど、顔はいいとは言えないが性格がいい。私にとって彼は王子様だった。
これからもずっと彼と一緒に居たいと思う。
形は違うけれども、結婚をしてキスをして幸せになる。そんな未来が待っているだろう。