10/28/2022, 10:55:48 AM
暗がりの中で
僕はいつも、暗くて寒い檻に入っていた。
お姉ちゃんは「外は怖いところなのよ」と言っていたけど、それが嘘だということはすぐにわかった。
それから5年。
未だに僕は、暗くて寒い檻に閉じ込められている。
きっと僕には、"自由"のふた文字はないのだろう。
10/27/2022, 12:09:53 PM
紅茶の香り
僕の初恋の人は、紅茶が好きだった。
財閥の御令嬢というこもあって、コーヒーより紅茶を好んで飲んでいる、と聞いた。
一方の僕は、母子家庭で貧しい。
三人兄弟の長男である僕は、高校に進学したタイミングで、すぐさまバイトを始めた。ただ母を助けようという、それ一心だった。
それが関係しているのか、紅茶が好きな彼女に、一方的な好意を抱いている。
10/26/2022, 10:55:12 AM
愛言葉
「妃、このことは、2人だけの"ねーしょ"だかんな!」
その言葉は、幼馴染である絢斗の口癖だった。
耳にタコができるほど、口酸っぱく言われていたけれど、もう覚えていない。
きっとこれからも、思い出すことはないだろうと思っていた。
けれどこの瞬間、それをはっきりと思い出した。
絢斗が言っていた、あの言葉を。
「俺が世界一の大物になったら、お前を迎えにいく。それまで、待ってろよ! 妃!」
10/25/2022, 12:21:35 PM
友達
今私が泣いていてもあなたの記憶の中では
どうかあなたと同じ笑顔できっと思い出してね
ああ、忘れないよ
また会えるまで
心の奥灯りに気づく
10/24/2022, 12:09:23 PM
行かないで
あの人との会話が
ちくりと胸に刺さったまま
もう何も考えることもできなくなってしまった
あの人はなぜ、私の前から消えてしまったの……?