ずっとずっと大好きだった
愛していて
誇らしくて
少し羨ましくて
必ず曲げないことはないのだと
手放すことなんてない
そう思っていたのはいつだったか
いつからか君は姿を現すのが怖くなって
いなくなったのだろう
いつ取り戻せる?どこで会える?
あんなに大好きだった「君」の好きな物、嫌いな物、夢、全部全部思い出せなくなって
今私が出来たのだ
大人になったら会えるのか
これを成長だと言うのなら
私は少し怖い
みーんな将来のために今頑張りなさい
今苦しくても未来は明るいから
なんて言ってるけどそろそろ現実を見てほしい
いい大学にいくため無理だってする高校生
いい職業に着くため必死にムチを打つ大学生
いい老後生活を得るために無心で仕事をする大人
いつになったらいい未来は貰えるのだろう
頑張って頑張ってその先にみんなの言う「明るい未来」が待っているのはひと握りの人間だというのに
でもきっとこの考えを確信してしまったら私は生きることの意味まで探してしまうだろう
まだ怖いから、目を背けていたい
なんで気付いてしまったのだろう
まだ大丈夫、ひと握りに入れますように
だってまだ私の「未来」は誰も知らないのだから
怖くてもそれをやるのが生きるルールだ
私はあじさいは美味しいと思う
でも自分が食べられるのは嫌だから慎重に生きてきた
だって浮気はされたくないし
だって冷淡だと思われたくないし
だって無情になりたくないし
自分は絶対に食べられない
人の不幸は蜜の味なんて言うけれど確かにその通りだ
私は「あじさい」にはならない
気付かぬうちに私は「あじさい」になっていたみたいだ
こんなことを思うのは高慢だから
あれは好き
これも好き
でもあれは嫌い
みんな区別があるだろう
そして自分は区別する側だと思っているはずだろう
好きは嬉しくて嫌いは悲しい?
逆でもいいじゃない
別に嫌われてもいい、あの子たちと一緒にいたら後悔するから
いつも大きな声で騒いで
いつも人の悪口を言って
いつも人を舐めた態度で
そんな子達に「好き嫌い」と区別されるのを恐れる?
そんなの私には必要のない感情だ
嫌われたとするなら、それは本望だとにっこり笑って返してる
だって私は興味無いのだから
特に田舎という訳でも都会という訳でもない
特に誇れるものがあるといぅわけでもない
特に特産物があるというわけでもない
それでもここに私がいるのはまだ子供だから?
いや、違うはず
好きな訳でもないけど
この「街」は私の故郷だから
思い出も大切な人もここに詰まっているから
私はこの「街」を忘れないのだろう
いつかここを出ても
忘れることは無い「街」のはずだから