時はすでに平等だ。
朝日が昇って、夕日が沈んで、夜が来る。
そんな日々の中でも、私は沈む夕日が好きだ。
一日が綺麗に終わっていく感じが、すごく私の中では憧れで、明日はきっと何かが変わっているって信じさせてくれる。
…なんて綺麗事を述べてはみるけど、本当の理由は全然違う。
早く夜が来て欲しいから、早く消えろって沈む夕日に願ってるだけ。
そんな自分が大好き。
君の目を見つめると、思わず逸らしたくなる。
そういう感情なんて一切ないはずなのに、なんでこんなに胸が痛むんだろう。
私の目の中にいる君。
けど君の目の中に私は存在しない。
それがどういうことか、私には分かる。
星空の下で笑っていたはずの君の目は光り輝いていた。
星の…いや、月の輝きにさえ負けないような小粒の宝石はポロリと落ちることもなく星空へと戻る。
それを美しいと思う反面、僕は自分の不甲斐なさに、なんだかとても恥ずかしくなった。
この小さな体に触れることさえ出来ない臆病な僕に、彼女は期待の眼差しを向けた。
それがなんの期待なのか、僕には分かっていた。
分かっていたけど、応えることは出来なかった。
それは僕が臆病だからじゃない。
彼女が目の前で殺されたからだ。
一瞬だった。
彼女の着ていた白い服は赤く染まり、綺麗な白い肌は紫へと変わってゆく。
何が起きたのかも分からず、僕はただ微笑んだ。
『これで…君は僕のものだね』
その言葉を境に、君は先程の宝石を追いかけるようにして星空へと戻っていった。
貴方にとって私はただのクラスメイト。
だけどそれでいいの。
ううん、そうじゃないといけないの。
貴方がもし友達になったら、恋人になったら、家族になったら…って考えた時もあったよ。
だけどそれはきっと神に逆らう行為だから。
私と貴方は結ばれちゃいけないってなんとなくそう思う。
だから離れるしかない。
最後に一度だけ微笑んでくれたら…思い残すこともなかったのかな。
1つだけで良かったのに。
そんな我儘さえ許されない。
何もかもを失った私を嘲笑うように時間は進む。
結局何もできないまま、私の時間は減っていく。
どうして私はこんな目に遭わなければいけないのか。
どうしてこんなに涙を流さなくてはいけないのか。
考えたって答えは出ない。
それなのに…縋って、もがいて…偽る余裕もない。
もう、何も残ってない。