星空の下で笑っていたはずの君の目は光り輝いていた。
星の…いや、月の輝きにさえ負けないような小粒の宝石はポロリと落ちることもなく星空へと戻る。
それを美しいと思う反面、僕は自分の不甲斐なさに、なんだかとても恥ずかしくなった。
この小さな体に触れることさえ出来ない臆病な僕に、彼女は期待の眼差しを向けた。
それがなんの期待なのか、僕には分かっていた。
分かっていたけど、応えることは出来なかった。
それは僕が臆病だからじゃない。
彼女が目の前で殺されたからだ。
一瞬だった。
彼女の着ていた白い服は赤く染まり、綺麗な白い肌は紫へと変わってゆく。
何が起きたのかも分からず、僕はただ微笑んだ。
『これで…君は僕のものだね』
その言葉を境に、君は先程の宝石を追いかけるようにして星空へと戻っていった。
貴方にとって私はただのクラスメイト。
だけどそれでいいの。
ううん、そうじゃないといけないの。
貴方がもし友達になったら、恋人になったら、家族になったら…って考えた時もあったよ。
だけどそれはきっと神に逆らう行為だから。
私と貴方は結ばれちゃいけないってなんとなくそう思う。
だから離れるしかない。
最後に一度だけ微笑んでくれたら…思い残すこともなかったのかな。
1つだけで良かったのに。
そんな我儘さえ許されない。
何もかもを失った私を嘲笑うように時間は進む。
結局何もできないまま、私の時間は減っていく。
どうして私はこんな目に遭わなければいけないのか。
どうしてこんなに涙を流さなくてはいけないのか。
考えたって答えは出ない。
それなのに…縋って、もがいて…偽る余裕もない。
もう、何も残ってない。
エイプリルフール…それは嘘をついても良い日。
なぜそんなくだらない日が生まれたのかは分からないけど、私はクリスマスなんかよりも今日が好き。
汚い私が唯一許されて輝ける日だから。
嘘をついても良いならさ、誰か言ってよ。
貴方は綺麗だ…って。
お幸せにという言葉に大した意味はない。
ただそういう言葉があるから言ってるだけ。
なのに綺麗に聞こえてしまうのは私の中に植え付けられた固定概念のせい。
ただ、それだけのこと。