2/13/2026, 12:45:31 PM
目の前に揺蕩う貴方がいる。
こちらにおいで、と手を伸ばす。
久しぶりだね。
ようやく姿を見せてくれたね。
もう少しだけ、待ってて。
貴方に会いに行くから。
一歩踏み出し、ふわりと、体が宙に浮く。
貴方の手に、そっと、触れた気がした。
『待ってて』
2/12/2026, 1:03:57 PM
あのね。
私、ちゃんと覚えているよ。
春、桜並木を眺めながら一緒に歩いたよね。
夏、一面の向日葵畑がとても綺麗だったなあ。
秋、赤く染った紅葉の山々が眩しく思えたっけ。
冬、プレゼントしてくれたシクラメンが日々の癒しだった。
植物が好きって言ったから。
貴方はどんな季節でも美しい草花を見せてくれた。
私、ちゃんと覚えているよ。
あのね。
どんな生命も、いつかは散ってしまうの。
何も言わずに、ひっそりと枯れてしまうの。
だから貴方は何も苦しまなくていい。
貴方は私が通る道をたくさんの花束で飾ってくれた。
充分過ぎるほど、貴方から餞を貰っていたんだよ。
あのね。
私、幸せだったよ。
貴方のお陰で、本当に幸せだったの。
だから、お願いだから。
そんな顔をしないで。
――――墓の前。菊と、貴方の姿。
『伝えたい』
2/11/2026, 12:03:11 PM
この場所で死にたい、と貴方は言いました。
そこに私は含まれていましたか?
最期の時、貴方の傍に居なかった、
こんな不甲斐ない私も含まれていましたか?
『この場所で』