プレゼント
もうすぐクリスマス。
お母さんはいつもサンタさんがプレゼントを
届けてくれると言うけど僕は知ってるんだ。
去年はサンタさんに会いたくて寝たフリしてたら
コツ…コツ…って足音が聞こえたんだ。
ニヤケないように布団で顔を隠して
サンタさんを待ったんだ。
ガサガサ…ドサ…プレゼントを置いた音がして
僕は早く開けたい気持ちでいっぱいになった。
サンタさんはどんな人だろうって
気になった僕はそっと布団から顔を出して
ドアを開けて帰ろうとするサンタさんの後ろ姿を見た。
僕は驚いたんだ。
だってお母さんがサンタさんに変身してたんだから。
それを見て僕は秘密を知ったことを嬉しく思った。
プレゼントの中身は僕の大好きなお母さんのアップルパイと
「メリークリスマス」と書かれたお手紙が入っていた。
ゆずの香り
僕はゆずの香りが好き。
落ち着くしリラックス出来るから。
嫌なことあっても立ち直れるから。
思い通りにいかなくても頑張れるから。
下ばかり見てても何も変わらない。
分かってるけど中々難しいんだ。
でも諦めたくなくて泣いてた時。
君はゆずを僕に渡した。
剥いてみると深い香りが広がって。
前向きになれたんだ。
だから僕はゆずの香りが好き。
大空
大空とは?
僕は考えてみた。
僕たちは大きな空と同じくらい大きな気持ちを持ってると。
嬉しいや楽しい、悲しいや悔しい気持ちも色々あって。
気持ちってそれぞれだけど大空みたいに広いって思うんだ。
大好きなおばあちゃんが亡くなった時、お母さんが言ってたんだ。
「大丈夫よ、あなたが忘れなければ
おばあちゃんはずっと空から見ててくれてるよ」
その時は僕は幼かったから意味は分からなかった。
でも今なら分かる気がする。
大空は広くて美しい。
でもそれ以上にこの思いは広いことを僕は信じてるんだ。
ベルの音
────…リン……リン………リン……
不気味なベルの音。
僕は何処にいるのかも知らない。
記憶がある筈なのに、まるで霧がかかったかのように思い出せない。
真っ暗な暗闇の中、ベルの音を頼りに歩いていく。
───…リン
一つ鳴ると、水の流れる音がする。
何故だろうか?頭が真っ白になってしまう。
───……リン…リン
二つ鳴ると、波の音がする。
異様な雰囲気が漂ってきて身体が震えてしまう。
海が近いのか?どうして真っ暗なんだ?
───……リン………リン……リン…………ポン
三つ鳴ると、ポンと聞き慣れない音が聞こえてくる。
よく聞いてみると安心するような…?そんな感じがした。
…………ポン………ポン……ポン…ポンポンポン
辺りは霧が晴れるように明るくなっていく。
ポンポンとなる音と共に記憶が流れてくる。
何故か涙がこぼれて、その時僕は悟った。
そうダ…ぼクは……岸からお千て…死ンだんだナ。
寂しさ
僕には大切で大好きな人が居る。
恋人でもないし家族でもない。
親友寄りの特別な関係と君は言った。
ある日、君は他の人と仲良く楽しそうに話していた。
いつもは僕と一緒に居るのに。
話しかけてみたら気付いてないだけなのか無視された気がして
とても胸のあたりがモヤモヤした。
帰り道、君に聞いてみた。
「ねぇ、今日は違う人と楽しそうに話してたよね」
不機嫌そうに言ったら君はすぐに謝ってきた。
「ごめんね〜でもずっと一緒だとなんかね…笑」
違う、僕はただ理由を知りたいだけなんだ。
ねぇ、僕は怒ってないよ?
このモヤモヤがずっと続いてて嫌なんだ。
理由を聞けば無くなると思ったけど理由は知らないままで。
ねぇ、この気持ちは何?
その時涙が零れた。