ベルの音
────…リン……リン………リン……
不気味なベルの音。
僕は何処にいるのかも知らない。
記憶がある筈なのに、まるで霧がかかったかのように思い出せない。
真っ暗な暗闇の中、ベルの音を頼りに歩いていく。
───…リン
一つ鳴ると、水の流れる音がする。
何故だろうか?頭が真っ白になってしまう。
───……リン…リン
二つ鳴ると、波の音がする。
異様な雰囲気が漂ってきて身体が震えてしまう。
海が近いのか?どうして真っ暗なんだ?
───……リン………リン……リン…………ポン
三つ鳴ると、ポンと聞き慣れない音が聞こえてくる。
よく聞いてみると安心するような…?そんな感じがした。
…………ポン………ポン……ポン…ポンポンポン
辺りは霧が晴れるように明るくなっていく。
ポンポンとなる音と共に記憶が流れてくる。
何故か涙がこぼれて、その時僕は悟った。
そうダ…ぼクは……岸からお千て…死ンだんだナ。
寂しさ
僕には大切で大好きな人が居る。
恋人でもないし家族でもない。
親友寄りの特別な関係と君は言った。
ある日、君は他の人と仲良く楽しそうに話していた。
いつもは僕と一緒に居るのに。
話しかけてみたら気付いてないだけなのか無視された気がして
とても胸のあたりがモヤモヤした。
帰り道、君に聞いてみた。
「ねぇ、今日は違う人と楽しそうに話してたよね」
不機嫌そうに言ったら君はすぐに謝ってきた。
「ごめんね〜でもずっと一緒だとなんかね…笑」
違う、僕はただ理由を知りたいだけなんだ。
ねぇ、僕は怒ってないよ?
このモヤモヤがずっと続いてて嫌なんだ。
理由を聞けば無くなると思ったけど理由は知らないままで。
ねぇ、この気持ちは何?
その時涙が零れた。
冬は一緒に
冬は一緒に炬燵で暖まり
冬は一緒に蜜柑を剥いて
冬は一緒にテレビを見て
冬は家族と笑いあったり
冬は家族と仲良く眠って
思い出話で盛り上がると
君も私も一緒に微笑んだ
とりとめもない話
なんだろう。
急に頭に浮かんでくる言葉が口に出て
君がその話題で盛り上がる。
なんだろう。
いつもの事なのに、いつもと同じ会話なのに
ずっとこの時間が続いて欲しいと思っている。
幸せなんだな。
いつもと変わらない、それが幸せで
僕にとって一つ一つが大切なんだ。
いつもと変わらないけど
今日を明日を大切にしようと思った。
風邪
風邪引いた時ってさ
好きな人に看病してもらうのいいよね
「大丈夫?辛いよね、ほらお粥作ったよ」
って食べさせてくれたり
眠りにつくまで近くに居てくれて
起きたら寝落ちした君が居るのって
本当に幸せなんだよね
風邪は苦しいけど
好きな人が居れば早く治る…なんて
嘘みたいだけど本当なんだよね
だって君と話す為に隣に居る為に
風邪を治そうって思うんだから