灯台まで行ってみよう
高校2年の夏休み
初めて同級生4人で行った
伊豆諸島の島へ海水浴の旅行
昼間に浜辺で会った同い年の男の子たちとの砂浜での花火が終わった後
明日、船で帰ったら旅行も終わり
民宿と海水浴場の往復しかしてなかった私達
灯台?
男の子の誰かからの提案
どうする行ってみる?
えーどうする
海水浴場を離れるとすっかり街灯も減って
暗闇の一本道
不案内な道
ゆるやかな坂道を登りながら
本当に灯台こっち?
あとどれくらい?
誰も知らない
すっかり、肝試し要素も含めれた探検になっていた
海岸線からのアスファルト道路は港を離れると、まもなく山に向かってゆるやかな坂道になった。街灯は、本当に無くなった。
しばらく歩いてそれぞれの学校の話や部活動の話をしていた。
すれ違う人も車もなく、
もう少し行こうか
引き返そうか
ためらい始めてきた頃
左カーブが見えてきた。
カーブの向こうの暗闇の林があり。
林の手前に白いものが見えた
『うわ、やだ!びっくりした』
つい隣の男の子の腕をつかんで目を伏せてしまった
『え?どうしたの』
『なになに』
『なに?』
カーブを歩いて来た人に失礼な態度とったなと思って
もう一度、林の手前のカーブを見た
人影ではなかった
看板?いや、何も無い
もともと鳥目だし、暗いし
え?私は何を何に見間違えた?
それをキッカケに、引き返すことになった。
みんな、一向に着かない灯台に、これ幸いとばかりに、灯台に行けなくて残念という気配は微塵もなく折り返した。
高校生の夏休みの思い出だ。
どこもかしこも、夜道も明るく暗いところが無くなった昨今
暗がりで連想する思い出の一つ
『暗がりの中で』
昔、コーヒーが苦手だった頃は
喫茶店でもレストランでも
紅茶しか頼まなかった。
その頃は、ドリンクバーなんてものは無いから
『紅茶で』というと
『ミルクティーとレモンティーがございますが』と言われた。
まぁ、その時の気分で答えるのだが、
家では、もっぱらティーバッグでストレートで飲んでいるので、どっちでもいいような、どっちも違うような気分だった。
好きな漫画の主人公が『紅茶はダージリン』なんてことを言えば、御歳暮でもらったティーバッグセットの中から飲み比べて、オレンジペコーの方が美味しいかな?などと思いつつ、いつの間にかダージリンが好きになっていた。
だが、店で出てくる紅茶が何なのかがわかるほどツウでは無かった。
ある時、テレビだったか?雑誌の記事だったか?とにかく全然覚えてないが、
『喫茶店で、ストレートティーが飲みたい場合、レモンティーを頼んで、レモンを入れない。』
というのを見て、目からウロコだった。
いや待て、ホットの時だけだったか?アイスレモンティーの場合には、もうグラスに入ってることもあるから。
『ミルクティーでミルクを入れない』だったか?記憶が曖昧だか、『レモンティー』だったと思う。
まぁ、とにかく外出先でもストレートティーの飲み方があることを知った。
まぁ、紅茶専門の喫茶店とか行けば、主流はストレートティーでミルクやレモンが邪道なんだろうけど、そこまで極めても無ければ、そういう店に行く機会も無かったので、すごく画期的な発見だった。
紅茶なんて、ファミレスでは、ドリンクバーの時代に、そんな昔の事をふと思い出すことが、先日あった。
美容室でヘアカラーの待ち時間に
『お飲み物何にしますか?』と聞かれたのだ。
美容師さんの持つメニュー表には、色々あったのだが
『じゃ、ストレートティーで』と私は、答えた。
『紅茶の香り』
やさしい空気
あたたかい温度
やわらかな光
その言葉のまわりには
それらがある
手をつなぎながら帰る学生も
買い物の相談をする祖母と孫も
ドライブの行き先の相談する夫婦も
見つめ合わなくても
声に出さなくても
わかるよ
わかるね
『愛言葉』
まってまって
黄色いランドセルカバーの男の子が
お兄ちゃんを追いかける
ねぇ、まってってば!
泣きそうに、おこり顔の男の子
ホントにランドセルに、背負われてるようだった春
まだかよって顔で
でも、待ってくれてるお兄ちゃん
あっという間だね
カバーが、とれて
キズもいっぱいついて
先頭を歩いて追いかけられる
ランドセルになった
春には『まってまって』って言われた?
次の春には中学生
通学班での登校ももう少し
ホント、早くて『まってまって』だよ
『行かないで』
11月3日は、晴れの特異日。
だから、お祭りが多いのかな?
毎年お祭りが重なって、
でも、仕事も重なって、
なかなか行けなかった。
人混みも苦手だし。
獅子舞、流鏑馬(やぶさめ)、航空祭・・・。
今年は、やるのかな?
今年は、仕事が無い予定。
どうしよう、誰か一緒に行く人探そうかな。
そんなふうに、またグズグズしていると、
また、今年も見に行けなくて。ブルーインパルスの音だけ聞くことになっちゃうわね。
『どこまでも続く青い空』