灯台まで行ってみよう
高校2年の夏休み
初めて同級生4人で行った
伊豆諸島の島へ海水浴の旅行
昼間に浜辺で会った同い年の男の子たちとの砂浜での花火が終わった後
明日、船で帰ったら旅行も終わり
民宿と海水浴場の往復しかしてなかった私達
灯台?
男の子の誰かからの提案
どうする行ってみる?
えーどうする
海水浴場を離れるとすっかり街灯も減って
暗闇の一本道
不案内な道
ゆるやかな坂道を登りながら
本当に灯台こっち?
あとどれくらい?
誰も知らない
すっかり、肝試し要素も含めれた探検になっていた
海岸線からのアスファルト道路は港を離れると、まもなく山に向かってゆるやかな坂道になった。街灯は、本当に無くなった。
しばらく歩いてそれぞれの学校の話や部活動の話をしていた。
すれ違う人も車もなく、
もう少し行こうか
引き返そうか
ためらい始めてきた頃
左カーブが見えてきた。
カーブの向こうの暗闇の林があり。
林の手前に白いものが見えた
『うわ、やだ!びっくりした』
つい隣の男の子の腕をつかんで目を伏せてしまった
『え?どうしたの』
『なになに』
『なに?』
カーブを歩いて来た人に失礼な態度とったなと思って
もう一度、林の手前のカーブを見た
人影ではなかった
看板?いや、何も無い
もともと鳥目だし、暗いし
え?私は何を何に見間違えた?
それをキッカケに、引き返すことになった。
みんな、一向に着かない灯台に、これ幸いとばかりに、灯台に行けなくて残念という気配は微塵もなく折り返した。
高校生の夏休みの思い出だ。
どこもかしこも、夜道も明るく暗いところが無くなった昨今
暗がりで連想する思い出の一つ
『暗がりの中で』
10/29/2022, 2:15:07 AM