かっぱえびせん

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4/24/2025, 1:51:28 PM

巡り逢いって言葉、なんかロマンチックだけど、実際そんな大層なもんじゃないと思うんですよ。
だってたとえば、あの日コンビニでおでん買ってなかったら、レジに並ぶタイミングずれて、あなたとは出会ってないんですよ。
つまり、あなたと私を繋いだのは、あのときの「大根」なんですよ。
巡り逢いって、意外と汁っぽいんです。

「巡り逢い」

4/23/2025, 6:22:01 PM

彼女「ねえ、今日どこ行く?」

彼氏「うーん…どこ行きたい?」

彼女「どこでもいいよ。」

彼氏「じゃあ、水族館とか?」

彼女「え〜、混んでそうじゃない?」

彼氏「じゃあ…映画?」

彼女「2時間も座ってるのちょっとなあ〜。」

彼氏「……じゃあ、カフェ?」

彼女「この前も行ったじゃん。」

彼氏「あの……じゃあ、どこ行きたい?」

彼女「え?だから、どこでもいいよ?」

(無音5秒)

ナレーション:
「“どこでもいい”と言う人は、“どこでもよくない”人である」
「“どこへ行こうか”の裏にあるのは、“試されている”という事実である」

彼氏(心の声):「これ、デートじゃなくて、面接じゃね?」

彼女(心の声):「ここで“私の気分を的確に察するセンス”が試されてることに気づいてない男って、無理。」

ナレーション:
「どこへ行こう――。それは、カーナビには決して表示されない“恋愛偏差値”の分かれ道である」

どこへ行こう

4/22/2025, 10:15:38 AM

元カノが結婚するらしい。

正直、「へぇ~」としか思わなかった自分に少しガッカリしている。

もっとこう、胃がギュッとなるとか、思い出が走馬灯のように…とか、あるのかと思ってたのに、
実際はスーパーの特売チラシを眺めてるときと同じテンションだった。

でもその夜、無意識に彼女のインスタを2時間くらいスクロールしてた。

それが、僕にとっての「big love」だったんだと思う。

いや、そもそも「big love」ってなんなんだろう。
「big」って言ってる時点で、「small」や「medium」と比べてるわけで。
つまり、量とか、規模の話になるわけで。
でも愛に量って、あるのか?

じゃあ俺が今感じてる「もしかしたらあれが一番ちゃんと好きだったんじゃないか?」みたいなこの後悔って、big loveなの?
でも当時はそんな大事にしてなかったよ?
コンビニの新作アイスの方が気になってた日だってあったし。

ってなると、big loveって、あとから気づく系の愛なのかもしれない。

リアルタイムでは評価されないけど、時間差で心にジワジワ再生されてくるやつ。

もしくは、
「あの人が隣にいたら今もっと人生ラクだったかも」って思わせる、謎の幻覚。

つまり、「big love」って、いなくなってから勝手に美化される愛なのでは?

……あーあ。
なんか、もう一回付き合いたいわけじゃないんだけど、
「実はあんたのこと、すっごい愛してたよね?」って、一回でいいから彼女に言われてみたかった。

あれって、たぶん、誰かに「big loveだったのはあなたです」って、
スタンプラリーの最後でもらう記念バッジみたいなものなんだろうな。


big love

4/21/2025, 10:58:35 AM

私は、ささやきが嫌いだ。
人は皆、口に出して言うことが怖いのだろう。
だから、声を潜めて、耳元で何かを言いたがる。
しかし、どうして耳元で囁かれると、あんなにも心が揺さぶられるのだろう。
その声が、まるで密かに自分の心を覗いているような、
そんな錯覚を覚えてしまう。

「お前は……」と、耳に囁かれるだけで、
何も知らぬはずの私の心の奥底が、どこかに見透かされてしまうような気がして、
そのたった一言で、私は自分を壊すのだ。

人の言葉が、こんなにも私に深く刺さるのは、
結局のところ、私が言葉に依存しているからだ。
私は、誰かの言葉を待っている。
それを欲して、心の中で求めている自分に気づいているが、
その欲望が、また私を不安定にさせる。

「好きだよ」と囁かれたとしよう。
その一言に、私は一瞬で心を奪われ、
その後、その一言だけに縛られ、
その言葉が意味を成す瞬間を、何度も繰り返すことを望むのだろうか。

だが、私は知っている。
その言葉が囁かれるたびに、
私はもっと虚しくなり、もっと深く暗闇に沈んでいくことを。

だから、私はささやきが怖いのだ。
それは、私を壊す言葉だから。
でも、同時にそれを望んでしまう自分もいる。
私は、自分を傷つけたがっているのだろうか。

結局、私は何も分かっていない。
ささやきに寄り添うこともできず、
その言葉に頼ることもできず、
ただただ自分の中で空回りしているのだ。


ささやき

4/20/2025, 12:43:02 PM


星明かりが好きだなんて、嘘でした。
あの夜、わたしが星を見上げていたのは、
ただ、あなたの顔を直視したくなかったからです。

「綺麗だね」って言葉が喉まで出かかって、
わたしはそれを飲み込みました。
その瞬間、何かが終わった気がしました。
星は相変わらず、静かに瞬いていました。

星明かりって、優しそうな名前をしてるけど、
あれはただの太古の光です。
何千年も前に死んだ星の亡骸。
それを「綺麗」なんて言って、酔っているあなたが、
わたしには、とても愚かに見えたんです。

あの日から、星を見上げることはなくなりました。
あの光が、あなたの横顔を照らしていたと思うと、
吐き気がするんです。

でもね、時々ふと、思い出すんです。
あなたの声と、あの夜の空気と、
「星明かりが似合う人だね」って、
本当は言いたかった、たった一言を。

星明かり

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