「愛情」
愛情って、計算できない
だって、あなたを見ただけで
心臓がダンスを始めるんだから
そんなの、どうやったら予測できるの?
たまに、会話が終わらなくなる
「じゃあね!」って言おうとしたら
また何か思いついちゃう
でも、気づけばそれが楽しくて
時間なんて、あっという間に過ぎちゃう
結局、愛情って
理屈じゃなくて、心が跳ねる瞬間
どんなにバカなこと言っても
その時間が、幸せだって思うんだから
微熱
胸の奥に灯る小さな熱
冷ますことも、燃やし尽くすこともできずに
曖昧なままで揺れている
風が吹けば消えてしまいそうで
手のひらでそっと守ったけれど
その温度は、痛いくらいに僕を焦がす
言葉にすれば壊れそうで
黙れば溢れそうで
ただ、微熱のままでいる
いつかこの熱が名前を持つ日まで
僕はそっと、この心の中で育てるんだ
太陽の下で
久しぶりに外へ出て、太陽の下に立った。
明るい光が肌に触れる感覚は、
思った以上に心地よかった。
風が吹くたび、木々が揺れ、
その隙間から光がちらちらと動く。
当たり前だと思っていた景色が、
少しだけ特別に見えた。
太陽はいつもそこにある。
でも、それに気づくのは決まって、
少し疲れたときか、立ち止まったときだ。
そんな当たり前の光景が、
ただ少し眩しいだけで、
心が軽くなるのだから不思議だと思った。
セーター
おばあちゃんが編んだセーター、
色は少し淡くなって、
でもその温かさは変わらない。
手のひらの記憶が、
今も編み目に残っている。
着るたびに思い出す、
おばあちゃんの優しい声。
「寒くない?」と言って、
手を伸ばしてくれたその手が、
今はもう遠くに感じる。
でもこのセーターがあれば、
少しだけおばあちゃんが近くにいる気がして、
ふと、涙がこぼれそうになるけれど、
それもまた、温かい記憶だから。
「はなればなれ」
隣にいたはずの君が
気づけば遠くにいる
同じ空を見ていても
感じる風は違うんだね
話したかった言葉たちは
どこにも届かないまま
静かに消えていった
はなればなれになっても
君のことを思い出す
それが少しだけ
さびしくて、あたたかい