【空白】

友達との会話の中に空白が生まれるのが
耐えられなくなって
そんなものが生まれない、
生まれても耐えられる男友達との会話に
逃げるようになったのは
ほぼ当たり前だった。

それに嫌な顔というか、
信じられないような顔をされるのも
また耐えられないほど苦手だった。

それを打ち明けられないのも
自分さえ耐えればいいと思ってしまうのも
いつまで続くのだろう。

そんな自分が、環境が、消えてしまえばいいのに。

【フィルター】

「他人」のフィルターがかかると、
何も見えなくなる。

興味を持てなくなる。

目を逸らしてしまう。

考えられなくなる。

「自分」だけが大切なのか。

「自分の周り」だけが大切なのか。

それは「他人」とどう違うのか。

何が違うのか。

フィルターだらけの世界の中で、
今日も息が苦しい。

【誰もいない教室】

「あーあ、なくなっちゃえばいいのに」

誰もいない教室でそうつぶやいた。

この世界が嫌だ。

なくなってほしかった。

「全部、いらない」

消えてしまえばいいのに。

【言い出せなかった「」】

言い出せなかった言葉がある。

言えなかった言葉がある。

言わなかった言葉がある。

言おうとすら思えなかった言葉がある。

飲み込んだ言葉がある。


それらを抱きしめて、形にしたいと思ったのが

私にとっての「小説」だった。

【ページをめくる】

ページをめくる手が止まらない。

本の世界で生きていたくなる。

現実に戻りたくない。

逃げ出したくなる。

この世界が、嫌だ。