シンビジウム

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2/8/2025, 9:32:09 AM

      明の雪 恐る恐る 進む父

2/7/2025, 9:53:26 AM

【静かな夜明け】

カーテンの隙間から朝焼けを眺める。

真っ暗だった空が白く移り変わる。

夜の終わりと一日の始まり。

気持ちが暗くなっていく。

夜のままでいいのに。

布団をかぶって目を閉じた。



2/6/2025, 8:22:44 AM

【heart to heart】

いつも雪は綺麗だって思っていたけど

自転車に乗っているときの雪は

全然綺麗じゃない

道路をどんどん白く染めて

肩を湿らせる

減速して走るしかなかった

風に乗って飛んでくる雪が憎い

初めて雪で感情がマイナスに向かった

2/5/2025, 9:57:54 AM

【永遠の花束】

造花だったら枯れないけど、

偽物の花なんていらない





2/4/2025, 9:58:43 AM

【やさしくしないで】
          『暗闇』
荒い息が部屋中に響く。
どうすることもできずに、隣に立ち尽くすしかなかった。
彼はいつからか、舞台の前に過呼吸を起こすようになっていた。
開演前にふっと姿を消すことが増えて、決まって無理したような笑みで戻ってくる。
何度声をかけても「大丈夫」を繰り返す。
そんなことが続いて、ある日この部屋に逃げこむ彼を見つけたのだった。
きっかけは知らない。
もしかしたら彼自身もわかっていないのかもしれない。
何も話そうとしない。
聞かれたくないのか、話したくないのか。

「こんなところ、来なくていいのに」

やっと荒い息から解放された彼が、ぽつりとつぶやく。

「最近ほぼ毎日でしょ」

「別にあなたがどう思っても、僕は困ってないんで」

一瞬で突き放された気がした。
                       fin.

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