シンビジウム

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12/13/2024, 6:22:20 AM

【心と心】

見えない線 消えない線

心と心が  結ばれている

絡まって  雁字搦め
                       fin.

12/12/2024, 9:54:15 AM

【何でもないフリ】

朝日が眩しくて、目が覚めた。

隣には、見知った、いや、もう知りすぎた顔がある。

変わらない顔を見ると、なぜか安心する。

当たり前にいるから、いないのが想像できない。

何でもないフリで、もう一度目を閉じた。
                       fin.

12/9/2024, 9:59:39 AM

【ありがとう、ごめんね】

「一緒にいて、よかった?俺と組んで」
「当たり前。これだけ一緒にやってきたんだから。…ごめんね、巻き込んで」
「巻き込まれたなんて思ってない。俺が自分で選んだ道だから」

強い言葉を使いながら、自信はまったくなかった。
それすらも見破られているような気がする。
でも、罪悪感はもってて欲しくない。

「一人で死ぬ勇気なんてないからさ」
「それは、俺もだよ」
「じゃあ、一緒に死ぬ運命だったのかもね」

薄く笑いながら躊躇なくつぶやく。
運命なんて言葉は嫌いだけど、それしかないような感覚が呪いみたいで気持ち悪かった。

「僕のこと刺してよ」
「後悔、しない?」
「しないよ。するわけない。自分が後悔すると思うなら、やめてほしい。それに、僕が後悔するって思うのもやめて」
「…わかってる。わかってる、けど」

言葉が詰まった。
止めたいのに止められない。
より自分が助長しているような。死への階段を二人で駆け下りて行くような。
無力さに沈みそうだった。

「…ためらわなくていい。僕自身がいいって言ってるんだから」
「…じゃあ、いくよ」
「今までありがとう。…ごめんね」

振り上げられた刃物を見上げて、目を閉じた。
                       fin.

12/8/2024, 9:34:18 AM

【部屋の片隅で】
Dom/Subユニバースです。
わからない人ごめんなさい。
Corner・・・部屋の隅を向いて座る
Sh・・・静かに

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ごめんなさい…」
「ハァ〜…」

僕が悪いのはわかってるのに怖い。

「"Corner"」

彼の声が冷たく響いた。
びくりと肩が震える。

「なんで…」
「"Sh"聞こえなかった?」

ゆっくりと足が部屋の隅に動く。
体育座りで固まると、冷たい声が飛んでくる。

「15分」

不安で不安でたまらなくなる。
優しい声だけを楽しみにして、壁を見つめ続けた。
                        fin

12/7/2024, 9:47:06 AM

【逆さま】

「一緒に、飛んでくれる?」
「飛ぶ?逃げるってこと?」
「ううん。こーいうこと」

そう言いながら、人差し指を逆さまにして上から下へ動かした。

「飛ぶって物理的に?」
「そう。飛んでくれる?」
「悩んでることあるの?僕じゃ解決できない?」
「…わかんない」
「最終手段なら一緒に飛べるけど、まだできることあるなら飛べない」
「やっぱり。お前ならそう言うと思ってた」

向けられた顔にはうっすらと諦観が混じっていた。

「やっぱりってなに?僕はまだ一緒に居たいよ」
「わかってる」
「じゃあ、いなくなんないでよ?」
「俺も一人で飛ぶのは怖い。だから、お前と一緒なら飛べるかなって」
「どうしようもなくなったら、一緒に飛べる。もうちょっとがんばろうよ」

チクリと痛そうに顔をしかめた。

「…うん」
                       fin.

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