シンビジウム

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11/21/2024, 7:44:16 AM

【宝物】

別々の道に進んだ幼なじみと、久しぶりに会った。
連絡を取ろうと思えばいつでも取れる。
それでも、時間の経過で少し躊躇う自分がいた。

冷たい風が吹きつける中、並んで帰った。
近況を話して、時々声を揃えて笑う。
一人で帰ったら、「寒い」しか言えなくなるのに。
私たちの周りだけ、ふわっと暖かくなったようだった。

緩やかな坂を登りきったら、楽しい時間は終わりを迎える。
特別に別れを惜しむわけでもなく、

「ばいばい」

と手を振り合う。

一人になった途端、寒さが身に沁みた。
「寒い」とつぶやく声が風に、哀しく溶ける。

こんな風に「ばいばい」なんて言ったら、明日も会えるんじゃないかって勘違いするじゃん。
                       fin.

11/20/2024, 9:00:14 AM

【キャンドル】

      title『誕生日ケーキ』

蝋燭は、否応なしに増えていく物だと思う。
自分の意志では止められない。
どんなに、増えないでと願っても。

でも、それが嬉しい時期もあったんだよな。
一歩ずつ大人になっていくのが。

今は、それが怖くて怖くてたまらない。
蝋燭なんて、増えなかったらいいのに。
                       fin.

(キャンドルは、蝋燭と同義だろうか。
 そうだと信じて書かせてもらった)

11/19/2024, 9:53:36 AM

【たくさんの想い出】

たくさんの想い出が頭を駆け巡る。
全部全部、自分の糧になっていると信じたい。

11/18/2024, 8:40:25 AM

【冬になったら】

冬の一番は、やはり雪じゃないだろうか。
私の地域は年に数回しか雪が降らない。

雪が降った日は、いつもより数段冷たい空気の中で目が覚める。
布団に潜りそうなるのをこらえて窓の外を見ると、屋根にうっすら雪が積もっている。
それだけでテンションが上がっていたのは、つい数年前までの話だ。
最近は、もう一度目をつぶって布団をかぶる。

それでも、私は雪が降る日が待ち遠しい。

11/17/2024, 9:33:24 AM

【はなればなれ】

「高校は離れるけど、ずっと友達だから」

でも、物理的な距離が離れると、心の距離も離れる。
少しずつ連絡するのに躊躇いを感じるようになってくる。

戻れるなら、あのときに戻りたいな。
                       fin.

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