ナツノオモイデ
遠く見上げる 空の果て
夏の風が 心に触れて
制服のスカート 軽くなびいて
友と 笑いあったあの日
青い海 辿って行く
皆との砂浜 懐かしい
ひと夏の恋に 想い馳せて
彼と友と 笑って泣いて
遠くの空を 見上げていた
私の夏が 終わりゆく
放課後の帰りで トーキング
コイバナで ドキドキしながら
涙の別れも 笑顔で包む
夢中で駆け抜けた あの日々たち
青い空 広がって行く
未来への扉 開いていく
ひと夏の思い出 想い馳せて
友と彼と 笑って泣いて
遠くの空を 見上げていた
私の夏が 終わりゆく
涙も笑顔も すべて宝物
時が過ぎても 忘れないよ
未来の道を 歩いていく
胸に秘めた 夢抱きしめ
ひと夏の青春 想い馳せて
彼も友も ずっと大切
遠くの空を 見上げていると
私の夏が 終わりゆく
遠くまで続く 空を仰いで
新しい季節 迎えるのさ
涙を乗せて 笑顔で歩く
私はこの夏を 忘れない
「救難信号」
綺麗だ。
今までじっくり眺めた事なかったけど、こんなに綺麗だったんだなぁ。
特にここは、大気を汚すものが何もないから。
余計にそう見えるんだろうなぁ。
この光景は何度も、数えきれないくらい眺めてきた。
けれども、綺麗だと感じた事はなかった。
わずかな光がともるだけの真っ暗闇の夜の空は、不安感を膨らませるだけだったから。
いつもそこに、探すべきものがないか、必死になって目を凝らしていたから。
心配から解放された今は、とても綺麗に感じる。
私は視覚の隅にうつる、宇宙船を見てそう思った。
宇宙旅行の際に、遭難して、この星に救命ポッドを使ってたどりついた。
でも、人がいなくてずっと孤独だった。
早く故郷へ帰りたいと思っていた。
救難信号は発信していたから、いつか人が助けにきてくれるとは思っていたけど。
やっぱり実際に見てみると、安心感が違うな。
私は「おーい」と叫びながら、船に向かって手を振ったんだ。