4/4/2023, 12:48:01 PM
‐それでいい‐
蒼き海月言ひきとぞ
あのお星樣に成り度いと
蒼き海月泣ききとぞ
あのお月樣に觸れ度いと
煌めき奏でる
星月夜
星宙謳ひ
水面漂ふ物言へぬ君
ぼくが願ひを捧げよう
天の燈
搖らめき漂ふ
清らな命
願ひ彷徨ひ
海原を征く
無智とは無垢
無垢とは無謀
耀く月宮
どうかあの子を
煌めく星燈
どうか願ひを
あの子が
無智と云ふのなら
あの子が
無力と云ふのなら
此れほど清らで
無欲はありませうか
此れほど憐れな
命がありませうか
銀の貝皿
眞珠をのせて
かの子の願ひを
あの子の夢を
柔らな命を引き上げて
其の星々の隙間に招いて
どうか優しく
抱きしめて
蒼き海月言ひきとぞ
あのお星樣に成り度いと
蒼き海月泣ききとぞ
あのお月樣に觸れ度いと
4/3/2023, 7:32:43 PM
‐一つだけ‐
夜明けに唱ふ
ピアノの聲は
小夜啼鳥の
儚い囁き
鳥待月は
始まりの月
怯え乍ら
戸惑ひ乍ら
あと何度となく
櫻を葬送るか
4/2/2023, 1:04:02 PM
‐大切なもの‐
深夜の霧雨
滴る涙櫻
君を特別好きな
譯ぢやなくてさ
言葉が記憶が
想ひ出されては
想ふ夜が
心(此處)にあるだけ
幸せにおなりよ
自由に生きてさ
3/31/2023, 8:32:46 PM
‐幸せに‐
夢を渡つて
夜を羽ば度き
瞬く夜明けを
飛び越えて
手を伸ばすから
ぼくを信じて
屆けよ君に
此の聲
言の葉
夜を翔け抜け
朝へ翔んで
3/31/2023, 12:46:28 AM
‐何気ないふり‐
春雨木琴
全てを濡らして
マンション露臺で
燻る煙草が誘ふ夢は
園庭わきの古水琴窟
遠い想ひ出
くぐもる夕陽
想ひ出せない
ラヂオの呟き
記憶の汐音は
濱邊で見つけて
耳を澄ませた
卷き貝謳ふ
生まれ日の記憶