7/4/2022, 12:05:21 PM
‐神のみぞ 知る‐
なれとわが
生まれしよしを
かの子と此の子が
生まれし心を
誰に問はうか
鳴き砂の囁き
此の世のさながら
迷ひ込むもの
あやしきもの
食はば眠り
求めて交はる
なやみ歎き
喚くともがく
笑ひ歡喜なり
地水風火
生くるはわりなく
愛もがな
命のみなもと
沒する行方
誰に問はうか
水面を渡る
海鷂魚の渦ぞ
潮の向かふ
勇魚の瞳か
遙か彼方の
命の境目
眞白の鰺刺
幸福のしるし
神の歌聲
響き渡りて
波風生みだし
砂運ぶ
われは何者
我は何
誰も応へず
何者にもなりや命
欲しならば耀き瞬け
潮風の詩を
神鳥が傳ふ
儀來河内
7/3/2022, 11:18:14 AM
‐この道の先には‐
どうして此の世に
生まれたなんか
正直どうでも
いい事さ
寄せては返す
海の調べ
鴎が白い
カイトのやうに
羽ば度きもせず
圓を描く
今有る命を
全うするだけ
目の前に出て來る事を
こなすだけ
いつか疲れて
振り返つたとき
わたしの後ろに
道は出來てる
7/3/2022, 5:26:09 AM
‐日差し‐
あたたかい日差しと
やさしい言葉を
求め乍らも
社交辭令のやうな
見え透いた思惑と
ぬるま湯のやうな
曖昧な關係の中では
生きてはいけない
わたしたち
生存調整難しい
我が儘ねつたいぎよ
6/30/2022, 2:07:24 PM
‐赤い糸‐
今日のお題…らしい。
(ドウデモイイ…けど謳っとくか。
戀と呼ぶには
あまりに赤し
愛と呼ぶには
あまりに青し
此の果實の名を
我は知らず
初戀と言ふ名の
果實より
愛と言ふ名の
眞つ紅な果汁が
滴り墮うつろふ
6/29/2022, 6:47:49 AM
‐夏‐
耀く甍に西日が照つてる
ベランダの手すり寄りかかる
額の汗と前髮を指で拂ひ
ぢつと眺める田舎の街竝
レースの日傘老婦人
タオルで汗ふく學生達
道片隅の湧水栓
神社で搖れる幟旗
手元で冷珈琲の氷
カラリと啼いて
大人に成るまで
知らなかつた街
コンニチハ
ハジメマシテ
大人に成つて
知つた街
此の街に來て
初めての夏