‐神のみぞ 知る‐
なれとわが
生まれしよしを
かの子と此の子が
生まれし心を
誰に問はうか
鳴き砂の囁き
此の世のさながら
迷ひ込むもの
あやしきもの
食はば眠り
求めて交はる
なやみ歎き
喚くともがく
笑ひ歡喜なり
地水風火
生くるはわりなく
愛もがな
命のみなもと
沒する行方
誰に問はうか
水面を渡る
海鷂魚の渦ぞ
潮の向かふ
勇魚の瞳か
遙か彼方の
命の境目
眞白の鰺刺
幸福のしるし
神の歌聲
響き渡りて
波風生みだし
砂運ぶ
われは何者
我は何
誰も応へず
何者にもなりや命
欲しならば耀き瞬け
潮風の詩を
神鳥が傳ふ
儀來河内
7/4/2022, 12:05:21 PM