7/3/2022, 11:18:14 AM
‐この道の先には‐
どうして此の世に
生まれたなんか
正直どうでも
いい事さ
寄せては返す
海の調べ
鴎が白い
カイトのやうに
羽ば度きもせず
圓を描く
今有る命を
全うするだけ
目の前に出て來る事を
こなすだけ
いつか疲れて
振り返つたとき
わたしの後ろに
道は出來てる
7/3/2022, 5:26:09 AM
‐日差し‐
あたたかい日差しと
やさしい言葉を
求め乍らも
社交辭令のやうな
見え透いた思惑と
ぬるま湯のやうな
曖昧な關係の中では
生きてはいけない
わたしたち
生存調整難しい
我が儘ねつたいぎよ
6/30/2022, 2:07:24 PM
‐赤い糸‐
今日のお題…らしい。
(ドウデモイイ…けど謳っとくか。
戀と呼ぶには
あまりに赤し
愛と呼ぶには
あまりに青し
此の果實の名を
我は知らず
初戀と言ふ名の
果實より
愛と言ふ名の
眞つ紅な果汁が
滴り墮うつろふ
6/29/2022, 6:47:49 AM
‐夏‐
耀く甍に西日が照つてる
ベランダの手すり寄りかかる
額の汗と前髮を指で拂ひ
ぢつと眺める田舎の街竝
レースの日傘老婦人
タオルで汗ふく學生達
道片隅の湧水栓
神社で搖れる幟旗
手元で冷珈琲の氷
カラリと啼いて
大人に成るまで
知らなかつた街
コンニチハ
ハジメマシテ
大人に成つて
知つた街
此の街に來て
初めての夏
6/27/2022, 9:54:52 PM
‐ここじゃないどこかへ‐
灼くべき土瀝青
搖るる陽炎
漆喰つたふ
濃緑蔓は風に靡かす
柑橘橙色の花片を
暑さに焙られ
朦朧しつつ
鷲づかみせし
南國花
危險纏ひ
地に墮ちていく
瞼を伏せて
此れ踏みにじり
名を呼ぶ君に
不敵なる笑み
振り返る午后