6/26/2022, 10:20:57 AM
‐君と最後にあった日‐
搖れるリネン
轉がるやうな
廻轉琴の音色と陽光
風が運ぶ潮風と
夏の匂ひ
隣で寄りかかる
君の睫で光が踊る
戀とか愛とか其処には無くて
僕と君の間には友情がある
6/25/2022, 5:52:59 PM
‐繊細な花‐
黎明に開く白い小花は
青い瞳でビジューの微笑み
白い翼に七叉の燭臺
全てのモノに平等を
謳ひ乍らの選民思考
己の主の正義の證明
何者も出來ぬ事とは
知らぬままに
夜更けに開く下がり花は
紅く濡れた山羊の瞳
黒い翼に雙子のアダガ
全てのモノに偏愛を
囁き乍ら偏愛思考
己の主の私利私欲
唆し乍ら火を放ち
破滅を眺め悦に滲る
眞晝に開く間拔けな花は
黒く無邪氣な小さな瞳
鐵の車輪を操り乍ら
我が物顏で手に入れる
喚き散らして我が儘に
己の世界を廻し續ける
左右の天使に囁かれては
ぐらぐら搖れて滅びを歩く
6/24/2022, 12:03:16 PM
‐一年後‐
…なんかどうでもいい。
生きこしばかり
傷は附く
寄せば返す
小魚の夢
地球の律動
脈打つた
水平線と陽の祈り
漂ひ彷徨ふ
水母は願ふ
砂に洗はる
玻璃硝子
彈けて消ゆ
虹浮球
暑さ落ち着く
暇はなし
6/23/2022, 8:29:28 PM
‐子供のころは‐
雨季の射し陽に
汗をつたはせ
瞳を細め
あなたがわたしに
振り返る
黒曜の二つの瞳
鏡のやうに耀き煌めき
歪に搖れて
わたし微笑み
煌めいてる
約束も確證も
印も何もない儘
花のやうに風に搖れて
木々のやうに雨に打たれて
獸のやうに時に飢ゑて
全てを甘んじ受け入れて
わたしとあなた
歪で無邪氣
完全なる
一瞬の刻
6/22/2022, 3:06:22 PM
‐日常‐
瞼を閉ぢて念じてごらん
君の指先から
靜かに紡ぐ其の音が
あなたの唇から
滴り落ちる其の聲が
假の姿に魂を與へ
望みをたぐり
羽ば度き乍ら
柱列の隙間を
縫ひ飛び交ふよ
美しい結晶の中の
祕蜜を想像してごらん
心の中の
其の音色に耳を傾けて
其のまま韻を踏んでみて
あとは好きな文言へ
置き換へるだけ
電子の世界の0と1
詩を謳ふこと
其れは同じこと