‐繊細な花‐
黎明に開く白い小花は
青い瞳でビジューの微笑み
白い翼に七叉の燭臺
全てのモノに平等を
謳ひ乍らの選民思考
己の主の正義の證明
何者も出來ぬ事とは
知らぬままに
夜更けに開く下がり花は
紅く濡れた山羊の瞳
黒い翼に雙子のアダガ
全てのモノに偏愛を
囁き乍ら偏愛思考
己の主の私利私欲
唆し乍ら火を放ち
破滅を眺め悦に滲る
眞晝に開く間拔けな花は
黒く無邪氣な小さな瞳
鐵の車輪を操り乍ら
我が物顏で手に入れる
喚き散らして我が儘に
己の世界を廻し續ける
左右の天使に囁かれては
ぐらぐら搖れて滅びを歩く
6/25/2022, 5:52:59 PM