6/23/2022, 8:29:28 PM
‐子供のころは‐
雨季の射し陽に
汗をつたはせ
瞳を細め
あなたがわたしに
振り返る
黒曜の二つの瞳
鏡のやうに耀き煌めき
歪に搖れて
わたし微笑み
煌めいてる
約束も確證も
印も何もない儘
花のやうに風に搖れて
木々のやうに雨に打たれて
獸のやうに時に飢ゑて
全てを甘んじ受け入れて
わたしとあなた
歪で無邪氣
完全なる
一瞬の刻
6/22/2022, 3:06:22 PM
‐日常‐
瞼を閉ぢて念じてごらん
君の指先から
靜かに紡ぐ其の音が
あなたの唇から
滴り落ちる其の聲が
假の姿に魂を與へ
望みをたぐり
羽ば度き乍ら
柱列の隙間を
縫ひ飛び交ふよ
美しい結晶の中の
祕蜜を想像してごらん
心の中の
其の音色に耳を傾けて
其のまま韻を踏んでみて
あとは好きな文言へ
置き換へるだけ
電子の世界の0と1
詩を謳ふこと
其れは同じこと
6/22/2022, 9:55:55 AM
‐好きないろ‐
言の葉などは
忘却られしまへ
宵闇櫻
魑魅魍魎ぞと
生き魑
彷徨ひいでては
化生にならば
月夜を嗤へ
我が夜の春を
百鬼夜行ぞ
6/20/2022, 1:22:53 PM
‐あなたがいたから‐
なれの生まれしあした
此の世の全て耀きき
さらさら
風に捲られ
開かるる条に
光射し込み
翼の人描かれき
淡く優し
插繪浮かぶ
挾まれる花の栞
綴らるる物語
お誕生日めでたし
生まれし日めでたし
なれの生まれし夜
此の空の全て瞬きき
きらきらり
月光に照らさる
始まりの条
古のわたりが
傳へ崇めし神話
印され思はる
麗しき物語
今日と云ふ日めでたし
いつもと同じ日めでたし
何も知らぬあかき魂
清らなる白き筆記帖
6/20/2022, 5:23:26 AM
‐相合傘‐
風に搖れ
落つる凌霄花
熱く乾きし陽射しが
土瀝青を灼く
額を流るる汗
氣怠き午后
汗をかきし冷珈珈琲の
杯氷啼きき
思ふべき
眞夏の十五時
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花と日傘で相合傘。