♰ (X:@xsxrxdxcxex)

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6/22/2022, 3:06:22 PM

‐日常‐


瞼を閉ぢて念じてごらん

君の指先から
靜かに紡ぐ其の音が

あなたの唇から
滴り落ちる其の聲が


假の姿に魂を與へ

望みをたぐり
羽ば度き乍ら

柱列の隙間を
縫ひ飛び交ふよ


美しい結晶の中の
祕蜜を想像してごらん

心の中の
其の音色に耳を傾けて

其のまま韻を踏んでみて

あとは好きな文言へ
置き換へるだけ

電子の世界の0と1
詩を謳ふこと

其れは同じこと



6/22/2022, 9:55:55 AM

‐好きないろ‐



言の葉などは
忘却られしまへ

宵闇櫻


魑魅魍魎ぞと
生き魑

彷徨ひいでては
化生にならば


月夜を嗤へ
我が夜の春を

百鬼夜行ぞ

6/20/2022, 1:22:53 PM

‐あなたがいたから‐

なれの生まれしあした
此の世の全て耀きき

さらさら

風に捲られ
開かるる条に

光射し込み
翼の人描かれき

淡く優し
插繪浮かぶ


挾まれる花の栞
綴らるる物語

お誕生日めでたし
生まれし日めでたし



なれの生まれし夜
此の空の全て瞬きき

きらきらり

月光に照らさる
始まりの条

古のわたりが
傳へ崇めし神話


印され思はる
麗しき物語


今日と云ふ日めでたし
いつもと同じ日めでたし



何も知らぬあかき魂
清らなる白き筆記帖


6/20/2022, 5:23:26 AM

‐相合傘‐


風に搖れ
落つる凌霄花

熱く乾きし陽射しが
土瀝青を灼く

額を流るる汗
氣怠き午后

汗をかきし冷珈珈琲の
杯氷啼きき


思ふべき
眞夏の十五時


ーーーー

花と日傘で相合傘。

6/18/2022, 1:49:20 PM

‐落下‐


天蓋に吊られた

黒鐵鋼裝飾の
硝子燈會の中で

紅い炎が妖しく搖れる


炎に釣られて
照らされて

蒼い蛾が
翡翠色の翅蟲が

夢見心地で
囘り飛び交ふ


身を滅ぼすと解つてゐても
危險な戀慕と解つてゐても

吸ひ寄せられて近づいて
炎に灼かれ彈け散る


炎は誘ふ
こつちへおいでと

蟲が応へる
そつちへ逝くと


愚かな蟲と蔑む君

盲目の想ひ
羨望するぼく


ぼくらは道を間違へた

君は誰も愛さない
ぼくも誰も想はない

不毛な二人

さうなる爲のカードは
全て揃つてゐるのに

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