‐あなたがいたから‐
なれの生まれしあした
此の世の全て耀きき
さらさら
風に捲られ
開かるる条に
光射し込み
翼の人描かれき
淡く優し
插繪浮かぶ
挾まれる花の栞
綴らるる物語
お誕生日めでたし
生まれし日めでたし
なれの生まれし夜
此の空の全て瞬きき
きらきらり
月光に照らさる
始まりの条
古のわたりが
傳へ崇めし神話
印され思はる
麗しき物語
今日と云ふ日めでたし
いつもと同じ日めでたし
何も知らぬあかき魂
清らなる白き筆記帖
‐相合傘‐
風に搖れ
落つる凌霄花
熱く乾きし陽射しが
土瀝青を灼く
額を流るる汗
氣怠き午后
汗をかきし冷珈珈琲の
杯氷啼きき
思ふべき
眞夏の十五時
ーーーー
花と日傘で相合傘。
‐落下‐
天蓋に吊られた
黒鐵鋼裝飾の
硝子燈會の中で
紅い炎が妖しく搖れる
炎に釣られて
照らされて
蒼い蛾が
翡翠色の翅蟲が
夢見心地で
囘り飛び交ふ
身を滅ぼすと解つてゐても
危險な戀慕と解つてゐても
吸ひ寄せられて近づいて
炎に灼かれ彈け散る
炎は誘ふ
こつちへおいでと
蟲が応へる
そつちへ逝くと
愚かな蟲と蔑む君
盲目の想ひ
羨望するぼく
ぼくらは道を間違へた
君は誰も愛さない
ぼくも誰も想はない
不毛な二人
さうなる爲のカードは
全て揃つてゐるのに
‐未来‐
雲が遠くへながれていく
誰も知らない遠い場所へと
ありのままで
身を任せてゐる
風にあづけてる
飾らない姿で
優しくし度いとか
美しくい度いとか
僞らないで
誰も知らない
約束の場所へと
ただ其處にあるだけ
ながれていくだけ
ーーーーー
そんな事よりも
今どうするか、って
ことの方が重要。
現在があるから
未来が先に続くんだし。
未来の話をする人間は
あんま賢くない。
っていうかちょいビックリ。
ここPCでも見れるようになったん?
‐一年前‐
‐一年後‐、も。
きみとわたし
君が立ち止まつて
わたしの背中を見てゐても
わたしの謳を聽いてても
わたし氣づかぬふりをするよ
だから君がいつも
わたしの肩に觸れたとしても
君が名前を殘していつて
君の名前を知つてゐても
引つ張らないなら
振り返らない
さうやつて發芽もせず枯れていくの
刹那的でとても良いね