「私と仕事どっちが大事なのって聞いたらどうする?」
「仕事に行かなければおまえを守れない 仕事に行ったままではおまえを抱き締められない。って言う」
「激弱社会人のBLEACH」
"大切なもの"
「今日なんか嘘ついた?」
「えっ気付かなかったの?」
二度見した。
"エイプリルフール"
「幸せになれる方法を教えてやろう」
「何らかの思想が強めな方?」
「ドン底まで落ちた時は、とにかく何か食べ、お風呂に入浴剤を入れて、泣きながら浸かって、あがったら水分をしっかりと補給して、YouTubeを流しながら酒を飲んで、足を温めて泥のように眠るのじゃ…少し気が晴れたらボーボボを読むと「まあどうでもいいか」と思えてより良いぞ…」
「極限まで追い詰められてる社会人の方???」
"幸せに"
「へー、先生でも彼女いるんすね」
「言い方ァ」
覗いたロック画面のツーショットに、平坦な声を無理やり振り絞った。
"何気ないふり"
「あーっと、彼氏?デート中にごめん」
カフェで偶然会った友達にそう言われて思わず顔を見合わせる。正面に座っていた彼も目をぱちくりとさせていた。ええと…ええと、そうだな。
「ううん、彼氏じゃない。私の片想い」
変に誤魔化してもなと正直に言えば、友達と一緒に彼からも「えっ!?」と驚いたような声。確かに言っていなかったけれど、元から下心ありきで誘ったのでこれがバレたところで困ることもない。わははと笑う私に私をよく知る友達は「お前~…」と呆れ顔を作る。
「まあ、どっちにしろ邪魔してごめん。また連絡するね、飲みに行こ」
「行く行く。じゃあ…」
ばいばーいと手を振ろうとあげたところで、「あ、の!」と大きな声があがった。
「りょ、両想いなんで、今から彼氏です!」
隣の席に座っていたご婦人が私たちの誰よりも先に「あら~~~!」と嬉しそうに言った。
"ハッピーエンド"