3/26/2024, 12:56:47 PM
私の方が美人だし、私の方が足が長いし、私の方が成績が良いし、私の方が人望があるし、私の方がお金持ちだし、私の方が付き合いが長いし、私の方が彼のことをよく知っているし、私の方が彼のことを慮っているし、私の方が、お似合いな、はずなのに。
「フッ…おもしれー女」
あの女の後ろ姿を一心に見詰めて彼は嬉しそうにそう呟いた。
"ないものねだり"
3/25/2024, 10:52:12 AM
あ、これ欲しがってたっけ。ああ、これ好きって言ってたな。思い出される会話や顔に自然と買い物カゴが増えていく。
自分が好きなものは15円値上がっていたので手を伸ばすこともなく通り過ぎて。
"好きじゃないのに"
3/24/2024, 11:09:50 AM
「雨が降ればいいのに」
雲ひとつない青空の下、拗ねたように彼女がそう言った。意図がわからずはあ、と曖昧に返せば、彼女はきゅと控えめに俺の指先を握る。
「だって、それなら堂々とくっつけるもの」
"ところにより雨"
3/23/2024, 12:02:01 PM
『~が写真を送信しました』
『みて!』
『カップラーメン買った!』
『今から行くわ!』
『一緒に食お!!』
怒涛に届くうっきうきなメッセージにうるせえ深夜だぞ、と思いながら「おけ」とだけ返した。
"特別な存在"
3/22/2024, 3:21:35 PM
「3万円で買った虚無はどう?」
「推しを手にする可能性を買ったと言え、ばか」
その推し当たらなかったくせに、と言えば泣き崩れるかもしれないので黙り込んだ。
"バカみたい"