1/9/2025, 11:44:15 AM
星のかけらを探す旅
いつからか、夜というのは眩く光るネオンライトに蝕まれ
星の生きる灯火は、人の目に映らなくなってしまった
星は、遥か彼方から光を届けているというのに
夜空に星が浮かばなくなってから、幾年
少年少女は宙を見上げ、誓う
「いつか星のかけらを取り戻す」
手にした月の石を携え、光差す道を幾光年だろうと
進み続ける
開拓と啓蒙の、遥かなる旅路が始まろうとしていた
7/30/2024, 10:59:38 AM
澄んだ瞳もいずれはくすむのだろうか
楽しい楽しいこの景色も色あせてしまうのだろうか
時間は記憶の色素を奪っていく
いつでも思い出せるように写真を撮ったり、絵を描いたり
でも、確かに現実にあるものでも結局はいつかなくなってしまう
だから、喰らってやるのだ
味わい尽くしてやるのだ。
時間が奪い尽くすよりはやく
輝く記憶の光を暗淵の胃の内に呑み込んで
白と黒を心の底から吸収して
新たな瞳を作り出し、
新たな景色を見にいこう。
きっとそれでいい
11/15/2023, 5:23:48 PM
子猫が見つめていた。
気づいてしまったのはきっと下を向いていたからなんだろう。そう考えると気付かされてしまったと言えるのかもしれない。この子猫に。
不幸のどん底に降っていた雨は気づくと晴れ間を差していた。
8/18/2023, 12:51:13 PM
鏡というと、左右反転した世界を思い浮かべるだろう。
しかしどうだ。
鏡を見ているような感覚は、実のところ反転などしていない。あくまで限りなく自分に近しい何かという一点がそこに映るものの共通点なのだ。