詩のようなもの0009
眠って見るのが夢。
起きて見る夢は目標。
目標は高い方がいい。
いつもそばに置いておきたい。
夢など叶うはずがないと
邪魔ばかりする奴からは
今すぐに距離を取れ。
目標のためにすべき事は
ただ夢見ることじゃない。
どうしたらいいかを考えることだ。
そして、行動することだ。
その行動を継続することだ。
夢が夢じゃなくなる時が
きっとすぐにやってくる。
いや、すぐには来ないかもしれないが。
それでもそのために
準備と努力を重ねてきた経験が
とてつもない財産になっているだろう。
そうしたら
次に見る夢こそが
実現するかもしれない。
いや、そう簡単にはいかないかもしれないが。
だが、その繰り返しでね。
人は大人になっていく。
強く賢くなっていく。
目標の立て方も
修正の仕方も
規模の計算も
質の担保も
問題解決の方法も
とてつもなく上手くなる。
夢が夢じゃなくなるまで
諦めなければ、やがて
「それ」は必ず叶う。
最高に成長した自分の最終目標は何だ?
なるほど、そうだねって
思わないか?
詩のようなもの0008
祝婚
一人で綺麗な海辺の夕日を見た時、
美味しいシーフード料理がサーブされた時、
想い浮かべる人がいたら
きっとその人に恋してるのだと思う。
大荒れに荒れて死にたいほど大変な時、
迷って困ってどうしていいかわからない時、
思い浮かべる人がいたら
その人は理想の結婚相手のように思う。
その人が指し示す方向を信じられるか
あなたが目指す行き先との誤差はないか
いざとなったらどうやって舵を切るか
出航の前に乗組員たちが
話し合っておくように
膝を突き合わせて
苦労する覚悟を
できるだけ笑いながら楽しんで
シミュレーションしておくといい。
大丈夫、凪も嵐も人生には不可欠で
二人なら何もかもが素敵だ。
婚約、おめでとう。
詩のようなもの0007
またね、また会おうね。
って姉さんに言った。
姉さんは優しく微笑んでた。
私は天国を信じているんだよ。
だからお別れは怖くない。
そっちでも楽しく、きっと元気でいるよね。
いつか会いにいくからね。
詩のようなもの0006
神田伯山先生は「講談で携帯を鳴らす客は来ないでくれ」と言った。
私もそう思う。思っていた。いや今も思う。
その日は寄席や講談の類いではなくて、ワンピースでおめかししてヒールの靴を選んで履いて行ったライブ。
しっとりとしたバラードの、ライブの一番聞かせどころの歌の最中。
けたたましく電話が鳴った。
黒電話の音だ。誰だ!
空気が一瞬にして凍りつく。
その一瞬早く、私が凍りついていた。
私だ、私の携帯だ、黒電話だ。
大急ぎで音を消した瞬間、もうライブの音は何も聴こえなかった。震えていた。変な汗でずぶ濡れになっていた。
アコギも歌声も多分拍手も、何もかも聴こえない、ライブ会場が突然海の底になったみたいだと思った。
海の底をたゆたう私。海の泡になれるものなら、もしも人魚姫なら今すぐ消えてしまえるのに。と思った。
ああ、ごめんなさい。心から。
詩のようなもの0005
ただいま!って帰る義実家。
なんたって姑は私の推しだからね。
帰路名産品を食べながら
温泉に寄り道しながら
田舎に近づいていくのがもう、
毎年毎年、楽しみすぎるんだけど。
ああこんなところに生まれたかったよと思う、絵に描いたような田舎と、
こんな人に育てられたかったよと思う、波長の合う義母。
まあそんな人にそんなところで育てられたんだから
当然夫はいい人です。
世の中には
不仲な嫁姑が跋扈してるらしいね。
でもさ、多分マイノリティだから
カミングアウトできないだけで
こっそり、ベッタリ、さっぱり、まったり
それぞれいい感じに仲良しな親子って
案外普通にいそうな気がするんだけどね。
推し自慢みたいに義母自慢できたら
いいのにな。
縁あって親子でよかったって
一緒に布団敷きながら言いあって。
今年もビールと母の手料理で
乾杯して美味しくいただくよ。
車を止めたら玄関に走って行って
あの引き戸を開けて言うんだ。
「おかあさん、ただいまー!」
夏の帰省が待ち遠しいよ。