ぼんやりとした顔で街を見下ろす彼女の隣に立つ
少しでも同じ目線になりたいという、僕の子供じみた考えに勘づいたのか、こちらを見てゆるく笑った貴女は
街の明かりに照らされているからか、はたまた僕が貴女に惚れているからなのか
とても輝いて見えたんです。
『街の明かり』
私の眼前には、キラキラ光る星の川
今日という日に織姫と彦星はあの川を渡って一年越しの再開を喜ぶんだとか
私達も2人みたいに会えればいいのにね、なんて
自分を置いて先に天へ駆けていってしまった彼に向けてぽつりと呟いた
『七夕』
教会の大きなステンドグラス
そこに神々しく描かれているのは我らがマリアで
それを見るたび思い出すのは何者でもなかったころの僕と彼女の思い出で
でももう大丈夫。なぜなら僕も、君と同じ存在になれたからさ
さみしい日々はもう終わりだよ
神様だけが知っている、2人の寂しがりやたちの物語。
『神様だけが知っている』
「わたし、もうすぐ死んじゃうの。」
夏の強い日差しに照らされて色濃く影も出ているのにいるのに、なぜか儚く見えるあの子が気になって
聞いてみたらそう返ってきて、ふ〜んなんて返したけれど
あんまりにも綺麗な笑顔で言われたからか、それとも日差しのせいなのか
目が眩む感覚を強く覚えたんだ。
『日差し』
隣の席の彼女は、よく楽しげに窓の外を眺めている
気になって何度か自分も外を見てみたのだが、窓越しに見えるのは、雲だけだったり体育の授業中の生徒だったりと毎度さまざまだ。
外を観察するのが好きなのだろうか。そう思いまた窓の方を見ている彼女に釣られて自分も窓を見る。
ふと、窓越しに彼女と目があった。そして少しバツが悪そうに微笑まれたかと思ったら小声でこう言われたんだ。
見てたの、バレちゃった?
…もしかして、彼女が見てたのは外の風景じゃなくて
『窓越しに見えるのは』