取り止めも無い話
今、誰かが泣いている。
今、誰かが笑っている。
今、誰かが怒っている。
今、誰かが死んで行く。
今、誰かが生まれてきている。
ボクってちっぽけだなあ。
好きな男の子に
心を躍らして。
落ち込んで。
そのうち忘れられる。
ボクは小さな歯車。無くても構わない歯車。
取り止めも無い話だなあ
そんなことをアイツに話した。
そうしたら
忘れねーよ、ってアイツは言った。
思い出せなくても、思い出すよって。
迷惑だよ、って言ったら
強がんなよ、
って彼は淋しそうな笑みを浮かべた。
くだらない
取り止めも無い話
形の無いもの
ボクとアイツの関係
とっても楽しい関係なのに
淋しくなるのは何でだろ
あと5ヶ月だから
一緒に居られるのが
あと5ヶ月だから
あと5ヶ月と考えると
とてつもなく怖くなって
叫び出しそう
体中が強張っていく
この形の無い関係は
引っ越したら
無くなるんだろうな
嫌だ
嫌だよ
ジャングルジム
ボクは、グローブジャングルが大好きだった
すごいスピードで回転するのが大好き
そういえば
アイツと2人で乗ったなあ
アイツが回して、ボクは上で景色を見てた
ただそれだけ
ただそれだけなのに
ボクはアイツを好きになった
それ以外にも
グローブジャングルには
アイツとの思い出が沢山ある
でも
2月の冷たい雨の日に
取り壊された
仕方ない
老朽化なんだから
と言い聞かせたけど
ポロポロと涙が溢れた
今も
いろんな思い出が詰まった遊具が
どこかで
取り壊されている
声が聞こえる
アイツの声が
声変わり前の可愛らしい声
こっち来いよー
って
今行くー
何か用?
お前、遊ばないの?
うん
えーっ
一緒に遊ぼうぜ
しょうがないな
アイツの声を聞くと
3月の風が吹いたような気分になる
暖かいのに少しひんやりする
それは
それは
もうすぐ
会えなくなるから
だろうか
秋恋
秋雨が降ってきた
傘もレインコートも無いのに
入るか?
アイツがクリクリした瞳で見てくる
その瞳に映っているのはボクだけ
濡れたら風邪引くぞ
仕方ないから入ってやるよ
何だよっ!
アイツの肩にボクの頬が触れて暖かい
まともにアイツの顔が見られない
大っ嫌い
だけど
大好き