大事にしたい
アイツとの時間
ふざけ合ったり
悪口言い合ったり
大事にしたい
あの虹
アイツと見つめ合った時の
大事な大事な思い出の虹
大事にしたい
この坂道
雨上がりの景色がすごく綺麗
アイツと見るともっと綺麗
大事にしたい
この雷
怖くて思わずしがみついたアイツの温もり
とっても暖かかった
大事にしたい
アイツとボク
期限付きのこの関係
終わりを考えるだけで
明かりが
ぼやけてくる
時間よ止まれ
ボクの思うままに
全て止まればいい
アイツとボク以外全て
ずっとずっと話したい
お前さ、何が好きなの?
読書
陰キャだなぁ
別に
じゃあお前は何が好きなんだよ
お前と話してる時間
は?
だからぁ、お前と話してる時間って言ってるだろ!
真っ赤になっているアイツ
いい気味だ
嬉しい
ありがとう
感謝しろよな!
じゃあさ
お前の好きな人は誰?
お前に教える義理なんて無いだろ!
だって
お前の事好きなんだもん
アイツがびっくりした顔をする
ボクは、アイツに一矢報いる事ができて
嬉しかった
引っ越し先の夜景はとても綺麗だ
なのに
何かが物足りない
アイツだ
冬の朝のカルピスのような
春のいちごオレのような
夏のレモネードのような
秋の最後に飲む甘酸っぱいカクテルのような
この鬱陶しい気持ち
ボクの隣にアイツがいれば
この夜景は完璧なのに
ふっと
どこかの家の電気が消えた
引っ越しのトラックが出発する
10分後にボク達も出発
引っ越しなんて嫌
父さんも母さんも分かってない
バタバタしている家から抜け出した
お気に入りの花畑
誰も知らない
誰も入れない
ここなら泣ける
それなのに
「つまんねぇなあ」
「お前が引っ越したら」
「つまんねぇよ」
どうして入ってきたの
どうして入ってきてくれたの
癖っ毛をいじるアイツ
ずっとふざけているうちに
好きになったアイツ
花びらが揺れる
つまんないって言ってくれるんだ
淋しがってくれるんだ
「そんなに泣くなよぉ」
おどけて言うアイツ
語尾が震えてるくせに
さよなら
初恋のアイツ
大っ嫌いで大好きなアイツ
アイツの前で泣く
額をこづかれる
さよなら
またいつか
会おうね
それまで
さよなら
空が泣く
その涙は
いろんな人に降り注ぐ
失恋した人
大切な人を亡くした人
とてつもなく淋しい人
その涙は
ただただあたたかい
そして
そして
その涙は
青空を映す水たまりになり
人の幸せを反射していく
そしてまた
虹になり
人の心に希望を与えていく