NoName

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2/19/2025, 10:47:47 AM

メーデー、こちら鯨の腹の中より。これが僕の最後の言葉でしょう。愛しい貴方へ。大した後悔は無いですが、最後にもう一度貴方と耳を聾する程の炸裂音と共に夜空に花開く光の粒を見たかったです。どうか忘れないで。またどこかで。

11/13/2024, 3:00:08 PM

【また会いましょう】
 後ろ髪引かれながら、冷たいドアノブに手をかけた。全部自分で決めたのだし、貴方も望んでいないだろうから、きっともう2人きりのあの部屋には戻れない。
 夜の新橋の空はしんと冷えている。チラチラと光る飲み屋の明かりをぼうやり視界に入れて、明日を思っては泣いた。下を向くと重力に従った髪がカーテンの役割をもって、喧騒がなりを潜め世界から切り離されたような。なんだか迷子になった小さな子供みたいで、不安と逃げ出したくなる気持ちから鼻の奥がツンと染みる。人差し指で目尻を拭いた時、スマートフォンが震えて、ふわり、明るくなった画面に1件のメッセージを認めた。

『いつ帰ってくるの?』

いいのだろうか、何度も何度も間違いを繰り返した私が、貴方の元に。

『初めからやり直しましょう。あの時みたいに待ち合わせて、また会いましょう。』

ブー、もう一度スマートフォンが震えて、

『何度間違えても、君じゃなくても良かった世界でも、君を選ぶよ。それが答えじゃあないかな。』