まぽわぽん

Open App
9/10/2023, 11:08:44 AM

一人で目覚めた朝に「おはよう」と話し
仏壇の花の水を取り替える

当たり前にあった笑顔と
当たり前に用意された三食は
もう当たり前では無くなってしまったのだと

音も匂いもないキッチンで
理解する


-2nd story-


「今秋新作のケーキは絶対に買うぞー!」
仕事終わりの全力移動
乗り込んだケーキ屋さんのショーケースには
『sole out』の札ひとつ


#喪失感

9/9/2023, 11:09:21 AM

「世界に一つだけわからないことがある」

付き合ってから3年目の秋
木の葉の色付きより早く頬を赤くした彼が
明後日の方を向いて言った

「随分と壮大な"わからない"だね。何だろうか」

いつになったらプロポーズするのよアンタは!
問題はそっちなんですけれど〜
…というのは心の声
気持ちは枯葉のように散りかけだ

「えぇっと、つまりだな…
世界に一つだけわからないことは、きみの気持ちだ!
結婚をしてくれるのか、してくれないのか、どっちだ!?」

どっちだって、アンター!
鈍過ぎだろー!
"世界に一つだけ"のプロポーズは肌寒い…
冬を迎えそうな目で、彼の唇を塞いだ


-2nd story-


世界に一つだけの触り心地!
世界に一つだけの温もり!
世界に一つだけの満足感!!

通販サイトでポチッてしまった高額商品と
"世界に一つだけ"の騙しテクニックに
今でも涙ぐむ

9/8/2023, 12:52:41 PM

(嘘だろ…)

同性のあいつが好きだとわかった瞬間
息が止まりそうなくらいの酸欠と
激しい胸の鼓動が
ドクンドクンと全身を貫いた


-2nd story-


『書く習慣』でみんなの投稿を読む
ドキッ
素敵な文章を目にしたときに
高鳴るのは"胸の鼓動"

9/7/2023, 10:58:00 AM

発車ベルー!!
遅刻だぁぁぁー!と慌てたのがいけない
駅の階段を踏み外す

瞬時に襲う羞恥心
踊るように身体を捻らせて着地した
(グキッ)
足首に激痛と転がる私のローファー

「大丈夫…?じゃないか」

そっと差し出された声と手に顔を上げると
ダンスを誘う王子様?
わたしを見て朗らかに笑んでいたのは
片想い中の先輩だった


#踊るように

9/6/2023, 12:15:25 PM

「時告げ鳥って『にわとり』の別名?
わぁ。何だか素敵ねぇ」
「君が作ってくれる朝ごはんの"玉子焼き"も素敵だよ」

両親のラブトークを寝起きに聞きながら
スマホをタップする

『おはよう。ちゃんと起きれた?』

モーニングコールは彼女へ

今日のデートに緊張して
昨夜はあまり寝れなかったんだよね


#時を告げる

Next