「世界に一つだけわからないことがある」
付き合ってから3年目の秋
木の葉の色付きより早く頬を赤くした彼が
明後日の方を向いて言った
「随分と壮大な"わからない"だね。何だろうか」
いつになったらプロポーズするのよアンタは!
問題はそっちなんですけれど〜
…というのは心の声
気持ちは枯葉のように散りかけだ
「えぇっと、つまりだな…
世界に一つだけわからないことは、きみの気持ちだ!
結婚をしてくれるのか、してくれないのか、どっちだ!?」
どっちだって、アンター!
鈍過ぎだろー!
"世界に一つだけ"のプロポーズは肌寒い…
冬を迎えそうな目で、彼の唇を塞いだ
-2nd story-
世界に一つだけの触り心地!
世界に一つだけの温もり!
世界に一つだけの満足感!!
通販サイトでポチッてしまった高額商品と
"世界に一つだけ"の騙しテクニックに
今でも涙ぐむ
9/9/2023, 11:09:21 AM