あの虹の袂に行けば、宝があるという。
今日は時間もあるし
ちょっと虹を追いかけてみようか。
そんな軽い気持ちで車を走らせた。
「せっかくの機会だ、消えてくれるなよ。」
虹の袂を目指し、しばらく走らせた車で
辿り着いた時には虹はすっかり消えていて。
ああ、間に合わなかった。
この歳になってそんな少年みたいなこと
思うんだなとなんだか笑えてくる。
今まですっかり忘れていた
あの青春をもう一度味わった気がして。
大人になって遠のいていた楽しさが
また戻ってきたようだ。
くすっと青い空に笑って見せれば。
宝は見当たらなかったけど
あの頃と今を繋いだ虹の架け橋は
とても綺麗だと思った。
あなたには伝わるだろうか。
この溢れるばかりの感情に名前をつけるなら。
きっとそれは激情だけど、凪いでいて、色褪せない。
そんな言葉にならないこの気持ちは
どこにも行き場所がなくて。
あの大空を見上げては
遠いところにいるあなたに、いつか届きますように。
あの彼方の向こう、その先に希望がありますように。
あなたの中に少しでも面影を残せたなら…。
…それ以上の幸せを私は知らない。
さいごに
「また会いましょう」
その一言が言えれば良かった。
その一言があれば、もう一つの未来があったかもしれない。
そんな風に思えるから、切なくて。
あとひと呼吸の勇気があれば、なんて。
心にそっと傷をつけて去っていく、あの人に。
ほんの少しの幸せを願ってしまう。
ころころ変わる、私の感情。
時に激しく、時に穏やか。
それはまるで嵐の中にいるよう。
緩急ついて、心は闇夜。
もくもくと込み上げる想いは積乱雲のその様で。
泣きたい夜はしっとりとした雨に似て。
毎日違う私の心。
おんなじ日はひとつもなくて。
暖かな風も、ひんやりとした静けさも。
すべてが私に重なって。
そんな私は空模様。
2024.08.19
笑い方が上手くなった、ように思う。
私の心を隠すための笑顔。
人に合わせて、肯定の相槌を打つ。
疲れたなあ。そう思うことも増えてきて。
ふとした時に鏡を見て、笑顔を作る。
一日の始まりに、休憩中に、お風呂上がりに。
にこっと笑ってみて。
今日もかわいいな、なんて思えたらその笑顔は隠すための笑顔なんかじゃなくて。
鏡見て、笑って。
その笑顔がほんとになるように。
素敵な笑顔で今日も乗り切れるように。
頑張りすぎないための、笑顔のおまじない。