蝙蝠

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8/6/2023, 3:06:55 PM

夜の足音 陽を染めて
黒き憧憬 脳を侵す
遠くで獣の咆哮が 黒き太陽の再来と成る
まだ夜明けを 待ち侘びて

境に触れた 爪先が
先を急かして 動かない
首を絞めた 掌
後ろ指を指す 人差し指
顔を隠した 嗤い声
両の足首を掴む 十の指
胴に絡んで放さぬ 無数の腕
声を塞いだ 両の掌
門が閉まる 彼を見た最後の夜
亡いた 太陽を待ち侘びて

黒き太陽の再来を
偽の者だと 心臓を刳る
黒き憧憬は芯と成り その身を侵す
川の向こうに 太陽を知る

夜明けの足音 夜を染めて
いつしか色付いた太陽 隣にはタカラモノ
伸ばした手に 無数の腕が絡みつく
崩れた足場 初めての涙は海の味
                 お題【太陽】
        タイトル【海が綺麗だったのに】

8/2/2023, 4:25:42 PM

裸足で駆ける
常夜灯の点滅
優しさは まるで氷のやう
手を引かれるの
頰にナニか伝うの
優しさで包んで 手を引くの

また1人 かえっていくの
何重も優しさで包んだ手に引かれて
きっと ママとパパと笑えたの
扉を 前に後ろに
開けられないから 笑ったの
扉は 横に

あの子は何か 知ってるの
扉を前に 押さないの
あの子は 優しく手を引かれない
この檻の中で 笑うのよ
頰にナニか伝っても

パパとママと笑うのは
扉が開かないお仕置きの後
みんなのお腹が 満たされる頃
                 お題【病室】
         タイトル【今日ご飯はなぁに?】

7/28/2023, 2:34:55 PM

狐の面に 誘われて
遠くに見ゆるは 
揺らぐ提灯 灯りは弱く
祭り囃子に 呼吸を忘れ
目はまだ覚めず

火男面の男が 太鼓を鳴らし
老若男女の面達が
踊る 唄う 踊る
鳥居をくぐる 

後ろで誰かの呼び声に
狐の面は嗤い 沈んだ夢の中 
皆が手招く 輪の中へ
行きはよいよい 帰りは
                お題【お祭り】
         タイトル【危機を知らせる音】

7/7/2023, 3:56:40 PM

笹の葉揺れた 風が吹く
つられて踊る 短冊
願い事は 夢の中

天の川 年に一度の鳥の橋
薄い衣を靡かせて
2人で笑う まだ夜半ば

淡く光る 天の川
蛍の舞いに 夜を告げた
まだ朝日は起きず

君とボクとの約束と 空の2人の約束と
繋ぐ星は川となる 
                 お題【七夕】
           タイトル【明日を忘れて】

7/4/2023, 5:25:57 PM

行方も道も 濃霧の中に
どうして信じられようか
この景色さえ 神様の思惑

賽の目カランと 運命の数
イカサマ 悪戯 十八番芸
綺麗な神ほど 珍しい

戦と贄と残虐を 酒の肴に夜は進む
ただ繰り糸が切れるまで
儚き命と 叫べとも
空の青さが 吸い消した

抗うことなく 抗えず
示した道は 思惑に沿う
神様だけが知っている
この世界の理を
         お題【神様だけが知っている】
            タイトル【信者の呟き】

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