笹の葉揺れた 風が吹く
つられて踊る 短冊
願い事は 夢の中
天の川 年に一度の鳥の橋
薄い衣を靡かせて
2人で笑う まだ夜半ば
淡く光る 天の川
蛍の舞いに 夜を告げた
まだ朝日は起きず
君とボクとの約束と 空の2人の約束と
繋ぐ星は川となる
お題【七夕】
タイトル【明日を忘れて】
行方も道も 濃霧の中に
どうして信じられようか
この景色さえ 神様の思惑
賽の目カランと 運命の数
イカサマ 悪戯 十八番芸
綺麗な神ほど 珍しい
戦と贄と残虐を 酒の肴に夜は進む
ただ繰り糸が切れるまで
儚き命と 叫べとも
空の青さが 吸い消した
抗うことなく 抗えず
示した道は 思惑に沿う
神様だけが知っている
この世界の理を
お題【神様だけが知っている】
タイトル【信者の呟き】
無機質な声 猛暑日だと語る
蝉の合唱団 街路樹でのコンサート
古いチャリで 下り坂
落っこちそうな 3人乗り
まだ地平線は 遠い
視界を染めた 群青に
降りたチャリは 熱かった
麦わら帽子を 追い掛けて
風と駆ける
脆い城の滅亡を
眺めて舐める 氷菓子
入道雲が空游ぐ
夕焼けを背に
肩を並べ 電車に揺られ
忘れたチャリを 口実に
来年の夏 約束をした
お題【入道雲】
タイトル【あの夏の日が】
暗く淀んだ 現世をみては
空の筺の中には 残らずに
天に隠れた 一欠片の希望
高くそびえた 大樹の上で
遠き蒼が染まりし時を ただ見ゆる
あの暁に 託す願いを
変わらず廻る 輪廻の内で
嗚呼 過去を未来も
ただ繰り返すだけ
平和の世を 待ちぼうけ
お題【未来】
タイトル【筺の中身は】
夜の音に 息を溶き
貴方の鼓動に 身を寄せる
眠らぬ街 艶やかに笑う声
夜空と踊る 星の子達よ
照らす 肌は陶磁器のやう
はだけた着物に 泳ぐ目が
妖しい瞳に 囚われて
月が綺麗ですね
唐紅に染まる口元 紡ぐ静かな言の葉は
月は手の届かぬから美しい
嗚呼 まだ夜半ば
朝は遠く
お題【あじさい】
タイトル【香り玉】